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43話 ファイヤーカッターに挑戦  冒険者養成所 52日目

 魔法の時間になるとハリーとベルトラムが走って近づいてきた。



「ポーション ポーション 休日に変なゴブリンと戦ってたのに この時間になぜ話してくれなかったんだ」とハリー…


「そうだよ 昨日の夜に話を聞いてビックリしたんだ」とベルトラム。


「う~ん ヤバかった戦いだったけど ゴブリン相手だし」


「何を言ってるんだ 100匹以上いたんだろ」


「大きいゴブリンまで出てきたんだよね」とベルトラム


「実は俺もギルドマスターや首都防衛隊隊長がココに来て、凄いことに巻き込まれたんだと気付いたんだよ」


「オリアンティが刺されて 周りをゴブリンに囲まれるような状況だったんだろ」


「普通だったら みんな死んでるよ」


「リックもいたしリタもいたから 大丈夫だと思ったんだけど」


「ポーション ポーション」と意味のない言葉を話すハリー。


「そういえば あんな状況なのに討伐部位を拾い集めて帰ってきたんだよね」


「倒したら集めないともったいないよ」


「ハァ~~~」と声にならない声を出すハリーとベルトラム。


「でもさぁ それに俺がここで今の話をしてたら信じるの?」


「んん?」と二人は頭の上に?を出して考える?


「ハッハッハ」と笑う二人。


「そういえば 大げさなヤツと思うだろうな」とハリー。


「そう考えれば話しにくい話だったね」とベルトラム。



やっと休日の話が終わりファイヤーカッターの練習をすることになった三人、ストアはわざわざ薄い鉄板を探してきて、それで練習することにした。



「教官が使っていた鉄板より薄い板を持ってきたんだ 水魔法でも同じ方法で徐々に分厚くしていったんだよ」


「なるほど」と納得するハリーとベルトラム。


「まずは俺がやってみるね」



 ストアは大きい石と石の間に鉄板を置いて、指先を鉄板の近づけライトの魔法のように集中化を行い呪文を唱える。



「集まりし炎よ 指先に集まり すべてを貫け ファイヤーカッター」



 細い炎が鉄板を切っていく。



「うぉー 一発だよ」と騒ぐハリーとベルトラム。



 集中しているストアには何も聞こえず切ることに集中して鉄板を切ってしまった。



「スゲー」とハリー


「すごい」とベルトラム


「できた 本当に水魔法そっくりだ」



 自分でもできたことに驚くストア、今までやってきたことが役立っているのを実感した。


 ストアの成功を見てやる気十分のハリーとベルトラムもファイヤーカッターに挑戦だ。



「集まりし炎よ 指先に集まり すべてを貫け ファイヤーカッター」と唱えるハリー



 しかし炎が細くなくただ指の先から出てるだけだった。



「ポーションはあんなに簡単にできたのに」


「今度は僕にやらせてほしい」とベルトラム



 しかし結果は同じだった。


 

 「やっぱり簡単にはできないんだ」とベルトラム


 「トーマスは最初の板を切るのにどれくらいかかったんだ」とハリー


 「たしか8日か9日ぐらいだよ」

 

 「それが普通か」とハリー


 「だね」とベルトラム


 「ライトの魔法で魔力の集中化がちゃんとできないとファイヤーカッターを使えるようにはならないよ」


 「練習か」とハリー

 

 「真面目に練習しないとだめだね」とベルトラム



 二人はファイヤーカッターの練習は止めてライトの魔法で魔力の集中化の訓練を始めた、ストアのライトの魔法を見てどれくらい光輝けばいいのかわかっているので、後は練習あるのみだ。


 ストアは今度はイキナリ課題の厚さの鉄板で挑戦することにした、板の厚さはさっき薄い板の3倍だ。


 再度、集中化を行い呪文を唱えるストア。



「集まりし炎よ 指先に集まり すべてを貫け ファイヤーカッター」



 細い黄色みがかった炎で板を切っていく、しかし半分切ったところで切れなくなった、それからまた同じことを繰り返し残り半分も切ったのだった



「う~ん」とうなるストア。



 もう一度、鉄板を切るためにファイヤーカッターの呪文を唱え、鉄板を切るストア、しかし結果は半分づつしか切れなかった。


 この結果からすると魔力そのものの量を倍は集めて集中化しないと1度では切れないってことだと気付くストア。

 

 倍の時間をかけて魔力を集めるよりも一度に倍の量を集めるようにしないと、さらにいえばいつでも最大の量をすぐ集められるのが一番いい。 


 ライトの魔法の授業ではライトを大きくすることばかり考えていたけど、それとは逆に魔力をたくさん集めて貯めるようにしないといけなかったんだ。


 ストアは考えるのを止めて、ライトの魔法を試してみることにした。


 今度はライトの魔法を唱える前にまず魔力を集めるストア、できるだけ多く素早く、そして呪文を唱えた。



 「我に光を 闇を照らせ ライト」


 

 今までにないくらい大きい白く淡く光る球体が出現した。



 「エッ」



 自分で出して自分でビックリするストア、ハリーとベルトラムも思わずストアの方を見る。



 「ポーション 何をしてるんだ」とハリー


 「めちゃくちゃ大きい」とベルトラム


 「集まった魔力量を確かめるためにライトの魔法を使ったんだよ」


 「それぐらい大きくないとダメなのか?」とハリー


 「試験用の鉄板は通常の倍ぐらいの魔力が必要なんだよ これは大きすぎると思うけど」


 「そうなのか」とハリー


 「そうなの」とベルトラム


 「もう一度 ファイヤーカッターの魔法を使えば結果がわかるはず」



 今集めたイメージで魔力を貯めていくストア、そして集中化していき呪文を唱えた。


 

「集まりし炎よ 指先に集まり すべてを貫け ファイヤーカッター」


「シューーーーーーーーー」という音が響く。



 細く黄色い炎で鉄板があっという間に切れていく。



 「おお」どよめくハリーとベルトラム



 切り終わり、ストアも唖然とした顔をした。



 「簡単に切れたけど」


 「色がさっきより黄色かったよ」とベルトラム


 「もしかしてイエローファイヤーが混じってるんじゃねえ?」とハリー


 「う~ん イエローファイヤーなんて 昨日 初めてみただけだから わからないよ」


 「ポーション これで合格レベル達成だね」とベルトラム


 「俺達もポーションの真似をすれば合格できるってことだな」とハリー


 「頑張ろう ハリー」とベルトラム


 「おう」とハリー


 

 魔力を溜めることを覚えたストアはファイヤーカッターをモノにした、たった2日目で中級レベルに達した。

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