29話 道場破りがやってきた 冒険者養成所 31日目
自分達のたまり場で集まる三人組がいた。
下町育ちで良いことも悪いことも一緒にやってきた、悪ガキ三人組、冒険者養成所へ行く金がなく1年遅れでココにやってきた。
同年代の間では兄貴が冒険者なので稽古をつけてもらって、多少、町でブイブイいわせている三人組。
「なに~~~~~っ 選りすぐりの美少女を6人引き連れて遊びに行った奴がいるだと」とリーダー
「誰だそいつは」と子分A
「リックって背の高いイケメン野郎らしいぜ」と子分B
「そいつをしめようってか」とリーダー
「野郎 徒党を組んで剣の稽古をしてるらしいんすよ」と子分B
「俺達で行ってもヤバいんじゃないか?」と子分A
「でも木刀ではなくケガをしない棒で叩き合ってるらしいっすよ」と子分B
「根性なしじゃねーか 徒党を組んでるやつも大したことがないんだろう」とリーダー
「ガッハッハ」みんなで笑う3人組
「今からそいつらの所へ殴りこんでボコボコにしてやろうぜ」とリーダー
「そりゃ いいや」子分A
というのでリック達が占拠している場所に意気揚々と歩いていく3人組。
来てみれば、練習生みたいな奴が同じ動きの稽古をしている、他には水魔法の練習でちょろちょろ水を出している奴、デカイくせに元気のない奴、笑ってるデブ野郎とその他大勢か、もう一人どんよりしている奴がいる。
「あ あいつっすよ どんよりしている野郎がリックです」
「たしかにイケメンだがあの雰囲気でモテてんのか?」
「どんよりしてますがあいつに間違いありません」
3人はリックの前まで行き、口上を述べる。
「貴様がリックか」
「なんだい 君達」
「偉そうにチャンバラごっこして、強いつもりか」
「そんなつもりはないよ」
「戦いたくないなら土下座しろ そうしたら許してやる」
「君達が負けたなら土下座をしてくれるのかい」
「なに~~~~~~~~~~~ 生意気だぞ 俺は16歳だ 兄貴は冒険者をやってるんだぞ」
「そうだ 兄貴から稽古をつけてもらってるんだからな」
「そのお兄さんのランクは」
「Dランクだ」
「フッ」
「なに 笑ってやがる もう 許せねえ 勝負しろや」
「わかったよ 戦ってあげるよ ただし 今日から試合を解禁するクリストファーに勝てたら、戦ってあげるよ」
「クリストファー 解禁だと」
「クリストファー こっちに来てくれ」
「おう なんだい リック」
「ちょうどいいんで この人たちと試合をしてくれないか?」
「戦ってもいいのか?」
「1週間よく我慢したよ」
「ガッハッハ 腕がなるぜ」
「1週間 我慢だと」
「今まで誰にも習ってなかったから、僕が1週間前から教えてるんだよ」
「なに~~~~~~~~ 習って1週間のやつが相手だと」
「馬鹿にしてんじゃね~~」
「勝てば もちろん 僕が相手をしてあげるよ それから剣は僕の所のを使ってもらう、骨までは折れないけど打ち身ぐらいは覚悟しておいてね」
「めんどくせい 勝てば いいんだな 勝てば」
両陣営に分かれて意見を言い合う仲間たち
3人組陣営
「なめやがって あの野郎」
「油断は禁物っす」
「とにかく勝ってください」
「おう このままじゃやってられんからな ボコボコにしてやる」
リック陣営
「まずは基本の攻撃して下がるだ そして相手が崩れたら終わらない連打」
「わかったぜ」
「バランスが戻ったら、また最初の攻撃したら下がるの繰り返しでいいよ」
「まかしとけ」
「お互い剣を構えて 始め」とリックが叫ぶ
「先手 必勝」「ブーン」と剣を振るクリストファー
慌てて下がる三人組リーダー。
(すげえ音しやがる)
ビビって間合いを詰められない三人組リーダー。
間合いを詰めるクリストファーそして攻撃。
「ブーン」 「バシッ」必死で防御する三人組リーダー
(おっ 重い)
「攻撃っす 攻撃しないと勝てないっす」三人組の声が飛ぶ。
(いけるかよ)心の中で叫ぶ三人組リーダー。
来ないので前に踏み込んで攻撃をするクリストファー。
「バシーン」剣にクリティカルヒット
受ける三人組リーダー、強烈な剣圧に少しよろめいてしまった。
怒涛の如く攻撃を開始するクリストファー、8の字を描きながらクリストファーの連撃が続く。
「ブーンブーンンブーン バシー」
剣で受けるがさらに態勢が崩れる三人組リーダー。
「ブーンブーンンブーン バシーン」
終わらない連打でクリストファーの胴斬りが決まった。
「それまで クリストファーの勝ち」とリック
クリストファーに駆け寄るリック。
「クリストファー よかったよ 基本が身についてる」
「本当かリック」
「もともと力があるから少しでも基本ができるようになると簡単に強くなるんだよ」
「ガッハッハ そうか そうか」
「次は受けもできれば、普通の奴にはまず負けないよ」
「おう よろしく頼むぜ」
3人組陣営
「リーダー」
「なにもしないで負けて恰好悪いっす」
「うるせい あのパワーみたろ 反則だ反則」
リックは3人組に近づき、
「さぁ 土下座の準備はできましたか?」
「うるせい 反則だ反則 怪力スキル持ってる奴と戦わせたろ」
「たしかに怪力スキルは持ってましたが」
「お前が相手しろ お前になら勝つ」
「う~ん 僕は戦う気分じゃないんだ」
「ストア」
「なに リック」
「彼の頭だけ叩いてくれない?」
「今日は水魔法の練習がしたいんだ」
「頼むよ ストア」
「頭に当てればいいんだね」
「よろしく頼むよ」
「おい お前 勝手に決めるな」
「彼に勝てば 相手してあげるよ」
「お前が相手しろ お前が」
「君はクリストファーに負けたじゃないか」
「ウッ」
「それが嫌ならクリストファーに言って無理やり土下座をさせてもいいんだよ」
「わかったよ やりゃ いいんだな 勝てば お前が相手するんだな」
「ああ それとストアは頭しか狙わないからね 気を付けてね」
そういってストアのいる場所へ歩いていくリック。
三人組陣営
「なんか やばいっす」
「今度の奴はよわそうじゃねいか」
「攻撃を限定させてるんですよ」
「怪力馬鹿よりはましましに決まってる」
リック陣営
「すまないなストア」
「夕食はおごってね」
「もちろんだよ」
ストアとリーダーがお互い向かい合う。
「お互い剣を構えて 始め」
棒立ちにみえるストア、ニヤリと笑う三人組リーダー。
すかさず攻撃する三人組リーダー、もちろん、当らない。
何度も攻撃する三人組リーダー、しかし当らない。
「ちょこまか動くんじゃねえ」
「じゃ おわらせるね」
「生意気いうんじゃねえ」と攻撃を開始する三人組リーダー
「ブンブンブン」さすがに息が切れてきた三人組リーダー
「今から頭を狙うよ」と宣言するストア
剣を上段に構え防御しようとする三人組リーダー、しかしストアの立ち位置が素早く変わり剣が頭に当たる。
「バーン」
「いて~~~~~~~~~っ」
「それまでストアの勝ち」とリックの声が響く。
三人組陣営
「宣言までされて負けるなんて恰好悪いっす」
「お前らが弱いといったんじゃないか」
「言ってませんよ もう 土下座して謝りましょう」
リック陣営
「ストア ご苦労さん」
「あとはリックが面倒みてあげてよ」
「わかったよ」
リ ックが三人組に近づいて、
「まだ 文句言える 元気がある?」
「ありません」
「今度またこんなことが起こったら君達のせいだからね」
「ええ~~~~~~~~~~」
「ただし ちゃんとした試合ならいつでも受けるよ」
「はい」
「礼儀をわきまえない人が来たら自ら土下座するまで試合をさせるからね」
「はい すみませんでした」
三人組はヘコヘコしながら帰っていった。
そして・・・「おーい クリストファーに今から防御の型を教えるよ」
といつもの日常に戻っていった。




