18話 ストア VS リック 冒険者養成所訓練開始 7日目
今日も早起きのストア、今日も朝の稽古に出かけようとすると、リックが声を掛けてきた。
「ストア 稽古に出かけるのか?」
「そうだけど」
「付き合うよ」
そういうとストア達は部屋を出て外で稽古を始めた。
リックはストアを観察していた。
瞑想から声を出さず音も静かに素振りを続けるストア。
「う~ん こんな静かな稽古は初めてだ」
「家ではこうなんだよ」
「なぁ ストア 試合をしないか」
「別にかまわないけど 寸止めだよ」
「わかってるよ」
こうしてストアとリックは試合をすることになった。
ストアとリックの初めての戦いだった。
リックは毎日、朝の稽古をするストアが昼間に稽古するようになって気になっていたので戦いたかったのだ。
両者が構えると静寂が訪れる、そして気が付くとリックの首の目の前に剣があった。
「えっ いつの間に」
リックはビックリした、ストアは動いてないと思ったからだ。
「ストア もう一度 頼む」
「いいよ」
今度はリックが先に仕掛けるが剣が空を切る、気づくとまた首の目の前に剣があった。
「ストアは強いな」
2度も負けているのに余裕のリック、そして3度目の勝負でリックは初めてスキルを使った。
リックのスキルは先読みというスキルだった。
昔から勘がよかったと思っていたのだが、剣が動く前に剣が動くのを自覚したときにスキルと認識したのだった。
それからは意識すると先に起こることを直感的に知ることができるようになった。
余裕だったのはこのスキルを持っていたからだった。
発動した瞬間に剣が迫ってくるのが見えた。
動かないと思っていたストアはノーモーション(振るそぶりがない)で無駄のない動きで一直線に剣を伸ばしてきたのだった。
慌ててかわすリック。
「これ だったのか」
しかし剣筋がわかれば、あとはカウンターを取ればいいだけ、先読みスキルでかわしてカウンターで剣を振った。
しかし当たらない、逃げられるはずはないのに。
二人はそれから空振りばかりするようになった。
先読みでも当たらない。
リックは呆然とするがそのあとにまた首の目の前に剣があった。
リックは知らなかった死角という見えない部分があることを足を狙うのが反則のルールなら足への攻撃は見えていても見えない、そして対応が素直すぎた習った動きを何度もすれば、先読みスキルが意味をなさないことに、リックにとってストアとの戦いは異種格闘技だったのである。
「い いつの間に」
「すごいね リック 途中から動きを読まれてきて困ったよ」
(読んだわけでないけどね)
「ストアの方こそ 強いじゃないか」
「そうかもしれないけど魔物以外は家族としか戦ったことがなかったんだよ」
「自分の強さがわからないんだな」
「そうなんだよ」
「そういえば家族に勝てないって言ってたな」
「攻撃の瞬間を見逃しちゃうんだよ」
「ストア 君の攻撃もそうだったよ」
「でも家族には通じないんだ・・・」
「凄いな ストアの家族、師匠も負けるかも」
それからはストアの練習の仕方を聞いてマネたリック、ストアは舎弟扱いから師匠になったのだった。
それから一緒に朝食を食べ、訓練を受けて、授業に出て別れた。
ストアは街に出かけた、ビエラー薬師店に行くためだ。
ストアは店に着くと裏口に行き、声をかけた。
「すみません」
「おや ストア君だったかな?」
「こんにちわ トッドさん」
「ポーションを持ってきてくれたんですか?」
「いえ 実はポーション作りの為に部屋を1日だけ借りたいんですが、どうすればいいかわからなくて」
フムフムとうなづくトッドさん
「私が持っている空き家があるから使ってもいいですよ」
「ありがとうございます レンタル料はいくらですか?」
「ハッハッハッ ストア君からお金はもらえないよ」
「えっ 本当ですか? ありがとうございます」
ストアは素直に頭を下げた。
「家のカギを渡すから使い終わったら返してくれればいい」
「わかりました では使うときにまた来ます」
「ポーションを楽しみにしてますよ」
ストアはお辞儀をして店を出た。
これでポーションを作る環境が整ったのでストアは安心して養成所に帰ったのだった。
その頃、リックは愛の女神軍団と多人数と戦う稽古をしていた。
苦労してるがそれがいい刺激になってリックは燃えていた。
そして休憩時間にリックはアレクシスに相談を持ち掛けた。
「アレクシス 稽古用の武器のことなんだが売ってる所、知らない?」
「俺も打ち込める武器はいいと思ってるんだが知らないんだ」
「アレクシスでも知らないってことは売ってないんだな」
「でも俺も考えて草案はできてる」
「ほう」
「草案では竹を割ってそこに藁を詰め込んで全体に皮で覆う感じにしようと思ってる」
「それなら骨折は絶対しないな」
「打ち身ぐらいで済むと思うぜ」
「それならすぐ注文してくれ 金の心配ならしなくていい」
「金はいらない うまくできたら 店で売るからな」
「抜け目がないな」
「ハッハッハッ」二人同時に笑うリック達。
そして最後に勝ち抜き戦をして今日はクリストファーが勝ったのでリックは一緒に夕食をすることになった。
今日の女神はカミラだった。
友人のニーナという金髪でグリーンアイが印象的なカミラにも負けない美女と一緒だった。
「あらこれが噂のリック君」
「美女に噂をされて光栄です」
「本当 たのしそう」
カミラに紹介される前からテンションが高いニーナ。
「リックです」
「ニーナよ」
「こっちはクリストファー」
「どうも」
そして楽しく食事を始めたのだが、最初から最後までクリストファーは食べてばかりだった。
「クリストファー なにか言えよ」
「肉のことならなんでも言える」
「せめて花のことにしてくれ」
「キャッキャッキャ」と二人の美女が笑ってる。
頭をかかえるリック、これは愛の女神の試練なのかもしれない。
その頃、ストアは食券を買い、並んでいたら、急に後ろから眼を手で覆われた。
もちろん、おっぱいが背中に当たっている。
プニュプニュ
「だ~れだ?」
「そんなことするのはカトリーヌさんだよね」
「あ~ん 正解」
うなだれるストア、回りの男たちの視線が痛い。
「私はストア君の味方だよ」とソフィー
「リック君は?」
「最近、俺の用事で別行動なんだよ」
「残念 でもストア君がいるから たのしいわ」
「俺ってどうして女性にからかわれるんだろう」
「ブブブ かわいいって罪よね」二人に笑われるストアであった。
愛の女神はイタズラ好きなのかもしれない。




