15話 冒険者養成所訓練開始 4日目 リック VS チャラ男撲滅(非モテ)同盟
カミラはハンブイヒの太陽と呼ばれている美少女で同年代の男性の憧れの対象になっている。
リリーはドレッサの天使と呼ばれている、もちろんドレッサの同年代の男性の憧れの対象であった。
そんな憧れの対象に積極的に近づき仲良く食事をしているリック達を許せるはずもなく、またガキ大将同志が怪力勝負をして逆に仲良くなっていたのもチャラ男撲滅(非モテ)同盟を結成させる原因にもなった。
ストア達は今日の朝もいつも通り食堂へ行ったがいつも通りの混雑で座れる席で食べて、広場に行くのだった。
今日の訓練からおもりが2つになり槍の長さは最初の2倍になり弓も更に強化されたものを使うことになった。
最後の隊列運動もだんだん厳しさが増してきたが、結局二人ともまた木札をもらっていたようだ。
「手抜きするのは嫌だから結局、木札をもらっちゃった」
「愛の女神も手抜きは許してくれないだろう ということで いくぞ ストア」
愛の女神が情熱的すぎると思うストアであったが結局はリックの後をついていくストア、愛の女神はストアのことをどう思ってるのだろうか?
食券木札を買い、昼の食事を受け取ったストア達、自分達がみつけるまえにカトリーヌとソフィーがストア達をみつけたようだ。
目が合うと手を振ってきた。
(カトリーヌとソフィーがいた ああ よかった)
ストアもリックもカトリーヌとソフィーの所まで行った。
「こんにちわ カトリーヌそれにソフィーも」
「呼んでくれてうれしいよ」とリック
「どうせならリック君たちと食べたほうが楽しいしね」
「そうそう 訓練疲れにはストア君が欲しくなるのよ」
「カトリーヌさん もう からかうのやめてよ」
今日も三人から「ブブブ」の笑い声が漏れる
「その言葉を僕に言ってほしい」
リック以外から「ブブブ」の笑い声が漏れるのであった。
それからは和気あいあいと食事を共にしたストア達、安らかな気分で教室に向かったのだった。
今日からは冒険者の授業から始まり、次に魔法の時間になり、最後は文字・数学の順ですることになった。
ストアもリックも試験は合格で文字と数学は免除となり行かなくて済むことになった。
冒険者の授業はロープの結び方の続きだった。終わったら魔法の合格者は別の場所へ移動していった。
魔法の時間は昨日とまったく同じ授業で教官は生徒の魔法を真剣に観察していたが合格者はでなかった。
魔法の時間が終わり、ストア達は教室を後にすることになった。
「ああ 終わった 夕食までは時間があるね」
「洗濯でもするか?」
などと言ってると11人の男達がストア達を囲んできた。
「俺はアレクシスだ ちょっと顔を貸してもらおうか?」
「僕に何か用かい?」
「ちょっと小耳にはさんだんだよ リックという奴がA級冒険者に剣を習ってるって聞いてな」
「それで僕に何の用だい、イケメン君」
アレクシスは少し赤面したが目を血走らせて。
「稽古をつけてもらいたいんだよ」
「断ったらどうするつもり?」
「お前の師匠はA級冒険者を語る詐欺師だといいふらしてやるさ」
一瞬、リックの顔が変わるがまた元の顔に戻って
「わかったよ 稽古をつけてあげるよ でも どうせ 何かを賭けるつもりなんだろ」
「よくわかってるじゃねーか 俺が勝ったら、今後、絶対に女に近づくな 特にカミラとリリーにはな」
「そうだそうだ」とその他10人の罵声が飛ぶ。
「なるほど やっかみか で 1対1なのか全員でかかって来るのか?」
「一人に決まってるだろ」
「ほう 結構 男気があるやつなんだな イケメン君は」
「ナンパ野郎が言うんじゃねえよ」
「11人の内の誰かが僕に勝てれば、君の言ったとおりにするよ」
「全員を相手するだと 生意気すぎなんだよ ナンパ野郎 覚悟しとけ」
話が決まったということでストア達は人影が少ない広い場所へ移動したのであった。
ストアは別の場所へダッシュで移動して、何かを抱えて、みんなのいる場所にやってきた。
そして試合を始めようとしたときにストアは変な事を言い始めた。
「試合って寸止めで試合するの?」
「そんなわけねーだろ 木刀で戦闘不能になるか まいった と言うまでするんだよ」
「それじゃー骨が折れたり、間違ったら死んじゃうよ 防具をお互いつけてないし」
「じゃーどう決着をつけるんだよ」
「だからこれ使ってよ」と木刀の長さの竹を数本を見せた
「こんなもの用意しにどこかへいってたのか」
「それから大銀貨5枚を俺に預けてくれ」
「なんでお前に金を渡さないといけないんだよ」
「ポーション代だ 卸価格で使っていいよ 使わなかったらお金は返すよ」
「ポーション代 本物かどうかわかんねえもんに金を払えるか!」
「王都のビエラー薬屋の店に卸してるものだよ」
瓶をつかみ、ラベルをみるアレクシス…
「ドラッグ ポーションじゃねーか」
「有名なんですか?」と子分たちが言う
「最高品質のポーションだ 安くても金貨1枚はする」
「なんでコイツが持っているんだ」
「だって俺、ドラック家の息子だから」
みんなビックリした顔で見る
「とにかく、その条件じゃないと危なくて見てられないよ」
アレクシス達は相談を始める、そしてストアに大銀貨5枚を渡した。
笑顔で受け取るストア。
「ヨシ! ケガをしても俺が直すのでお互い全力でやってくれ」
ストアのそんな姿を見て、飽きれるリック
「で 誰が一番最初に戦うんだい?」
ガヤガヤと騒ぐアレクシス達、そして、最初に出てきたのはアレクシスとあの時に怪力勝負をしていたクリストファーだった。
クリストファーはドレッサの街で精肉店を開いて財を成した子息でアレクシスにも負けない怪力のスキル持ち主だ。
汗っかきなのは体が太っているからだ、でも仕方がない、目の前にいつもおいしい肉があるのだから、それ自体に後悔はない。
しかしリリーはかわいい、かわいすぎる、肉も好きだがリリーも大好きだ、自分のものにならないのなら、みんなのリリーでいて欲しい。
断じてナンパ野郎なんかに渡せるわけがない。
これは正義の戦いだ、愛しのリリーの為にリックに負けるつもりはない。
「ナンパ野郎 許さねえ」
「戦う前から汗臭いぞ」
クリストファーが竹を振るたびにブーンと勢いよく竹の音が聞こえる、その威圧感は凄い、リックの顔つきも変わった。
お互いの竹同士がぶつかり合う、その怪力に飛ばされそうになるリック、しかしリックの腕は本物だった。
師匠と共に修行と称してオークのいる狩場でオーク単体を自分で倒したことがあるのだ、しかもその時はまだ13歳だった。
2度目の竹のぶつかりあった時に力を逃すように受けそのまま胴に叩き込むリック、しかし竹なので脂肪の厚いクリストファーは痛みに耐え、竹を力一杯振り回す、が動きが止まった瞬間にリックの竹がクリストファーの手首に直撃する
「痛て~~~」思わず竹を放してしまう、まだやろうとするが回りから止められて負けになった。
「くっそーーーーー いて~~~~~~」
みるみる腫れ上がるクリストファーの手首、ストアはクリストファーに近づいて治療を始める、最小限のポーションの量で手首の痛みや腫れがひいていく。
「おお」
あれだけ顔を歪ませていたクリストファーの顔が元に戻る、そしてクリストファーは手首を動かして言った。
「めっちゃ 効いたぜ これならまた戦えそうだ」
みんなは効果にビックリし安心もした、これなら思いっきりやれると他のみんなに希望を与えてくれたのだ。
「よし 今度は俺が行く」
と子分その1が前に出る
そして戦いは続いていった。




