147話 卒業記念のパーティー舞踏会3 冒険者養成所89日目
短めですが・・・
終盤になって男子軍団はよくわからない自慢話に花が咲いていた。
俺をみつめる瞳が特別だったとか俺の時に笑顔が多かったなど本人さえきにしていない出来事を自慢話として話す、それでお互い盛り上がるんだから仕方がない。
男子軍団はどこまでいっても馬鹿であった。
終盤になって再びリックと踊ることになったカトリーヌはあれからは自分達の話をしなかったが今しかないと思いはすれどなかなか話せなかった。
「パーティーは無事おわりそうだね これもカトリーヌのおかげだよ」
「ほとんどリック君のおかげじゃない」
「僕と言うより社員がはりきって準備してくれたらしいんだ」
「そういえば私達を見てデレデレしてた人達かな」
「ハッハッハ そう言えば喜んでいたね」
「私達ってパートナーとしてうまくいきそうじゃない?」
「踊りの時から頼りっぱなしで本当にありがたかったよ」
「私のことまだ真剣には考えてもらえない?」
「今は無理だね 今の自分ではね」
「どういうことなのかしら」
「言うつもりはないよ」
「それは今の正直な気持ちなのね」
「ああ」
「ここでの関係だけで終わりなのかしら」
「いややり取りがあっても僕は構わないよ ただ期待だけを持たせるのはよくないと思っているだけだから」
「それがリック君の優しさなのね」
「カトリーヌには幸せになってもらいたいからね」
「ああ もう いじわるな答えね」
「ストアにいつもしてるじゃないか」
「あれは愛情表現よ」
「ククク ストアも大変だ」
カトリーヌの決意をうまくリックに流されてしまった。
リックは本心を隠したまま、ストアに勝つことを考えていた。
まさかカトリーヌもカミラも連結された問題だとは考えられるはずもなく、イタズラに焦り、その衝動に耐え続けねばならなかった。
アレクシスはカミラと踊る。
目の前にはカミラがいる。
唯一俺を恐れなかった女のカミラ、その美しさは俺さえビビるほどだった。
女に対してある意味開き直って生きてきたがここに来てすべては変わった。
リックの側にいて美少女の展覧会と言えるほど個性の違う美少女達と日常的に付き合うことになった。
あのリタさえマジマジと見ると端正な顔立ちをしていて時折見せる姿にはハッとさせられた。
それでもカミラは俺にとって町にとって特別な女だ。
まさかこうしてこんな舞台で二人で踊るときが来るとは夢にも思わなかった。
「本当に立派ね 貴族のようだわ」
「ば バカ 恥ずかしいこと言うなよ」
「ふふふ アレクシスが恥ずかしいだなんて」
「今でもガキ大将の延長だからな」
「でもそれも今日で終わりよ」
「うむ そう言えばそうだが実感がな わかないんだよ」
「剣の稽古は張り切っているの」
「ああ このままずっと剣の修業をしたいくらいさ」
「男って本当に馬鹿ね 少しは女の気持ちを考えてくれてもいいのに」
「俺が歯の浮いたような話をしろってことか」
「そんな難しいことではないわ 素直に褒めればいいのよ」
「褒めるか・・・カミラは聞き飽きてるだろうが」
「ふふふ 私はアレクシスの口から聞きたかったの」
「えっ 俺の口からかぁ」
「言わないといくら格好つけてもいくじなしと思われるわよ」
「そうだな 今日のカミラは家の磨き抜かれたどんな武器よりも輝いているぜ」
「プッ アッハッハ 間違いなく素晴らしい褒め言葉ね」
「気に入ったか」
「ええ だってアレクシスしか言えない言葉だから」
「まぁな」
アレクシスはまだまだ対等になれていない感じがした、今ではコンプレックスを解消し新たな才能も開花して上り調子なのに会話すると何かが足りない気がした。
カミラはアレクシスを原石と感じてはいるが女性に対する理解が足りないと思っている、なぜそうなったか理由も知っているので失望はしていないがリックと比べると物足りないのは仕方がなかった。
それでも密かに成長を願い自分の前に現れてほしいと願ってもいる。
はたから見れば文句なしの美男美女カップルの二人の踊りは続く。
誤字報告いつもありがとうございます。




