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143話 卒業 冒険者養成所89日目

 今日は卒業の日だ。


 短くも長かった3ヶ月間、ストアはかけがいのない友と出会い、そして美しい少女達と出会った。


 ハプニングや不幸もあったが見事にそれをくぐり抜けた。


 朝起きるとリックは訓練ではなく打ち合わせと言って養成所を出てハンデル商会に出かけた。


 カトリーヌと相談していた卒業記念のパーティーの最終確認は本人が行かないと納得できないらしかった。


「ストア 残念だけど朝の稽古ができないよ 明日はアレクシスとやってほしい」


「そうなんだ リックも大変だね」


「ああ でも 自分で企画したことだからね」


「明日はアレクシスと稽古するよ」


「ああ そうしてくれ」


 そして朝になりかなり強くなったアレクシスとの稽古を終えて朝食を食べに行くと遅れてリックが入ってきた。


「リック おかえり」


「おかえりなさい」


 カトリーヌとソフィーもお帰りの挨拶をした。


「ただいま みんな カトリーヌ 準備は万端だよ」


「本当 それはよかったわ 楽団もみつかったのね」


「ああ 予定が空いている楽団が見つかってよかったよ」


「みんな出席するの」


「ああ 男だらけになるがゲイル達も参加するからね」


「まだ 形になったばかりなのに」


「私が鍛えたんだからお披露目する場所は必要よ」


「こんな機会はゲイルの仲間達は一生ないかもしれないからね」


「楽しい思い出にしたいな」


「そうだね」


 四人はお互いの顔を見て頷きあった。


 朝食を終えると教室に行くと教官の言葉と冒険者カードを渡される。


 「宿舎は明日の昼までに退館すること 朝食までは食べられるがそれ以降の食堂の利用は禁止になっている」


 うなづく生徒達。


「じゃあ 名前を呼ばれた順に冒険者カードを取りに来るように」


 生徒達は名前を呼ばれるとカードを取りそれをじげしげと眺める。


 ピカピカの金属プレートに各項目に二重丸や並んだ星に右上に大きな文字でランクが刻み込まれていた。


 今回の人の中でストアのカードが一番刻みこまれた文字数が多かったのは言うまでもない。


 お互い隣同士でカードを見せ合いおしゃべりは止まらなかったが時間になり全生徒出席の卒業式のためにグランドに集合する。


 全員が集合して、しばらくすると壇上にあがった所長が話し始めた。


「君達は成人してココに来た この国で成人として生きていくために必須の内容を学んだ 文字や算術 冒険者の知識 基礎体力と軍の基本的な訓練と魔法を学んだ どれも重要で3ヶ月では教えきれない内容だがこれは最低限ということだ 学ぶ機会がなかったものも養成所で学んだ方法を自分の手で行い知識や技術を磨いてほしい それが君達のためでもあるし国の為でもある それゆえに国王は冒険者ギルドと提携してこの施設を作り援助してくださっている 他の国では全員に教育の機会を与えているところはない この幸福をうまく利用して羽ばたいてほしい 卒業おめでとう 君達にさちあれ」


 教官達が拍手をすると生徒達も拍手をしはじめ最後は大拍手となった。


 続いてDランクの人は前に呼び出され所長から特別な祝辞を賜る。


 今回の生徒数は数千人はいたがDランクは数十人と言ったところだった。


 教官の人が名前を呼ぶとその度、周辺から大きな歓声が聞こえたがリック・ハンデルと呼ばれた時は全生徒からの大歓声が湧いた。


 それを手を上げて答えるリック、貴公子のような容姿、ブラックゴブリンを撃退、王との謁見、ゲイルを仲間にしハートビート1週競争優勝とどれも生徒達には驚かさせることばかりだった。


 そのために次の人を呼べる状態になるまでしばらく時間がかかった。


 その時次にに大歓声を受けたのはアレクシスだった。


 無敵のゲイルを倒したという効果は凄まじく、そしていつもリックとリタと歩く姿は高身長美男美女トリオは絵になった。


 その次はリタだった、女性ながら身体強化でDランクになったリタは女性ファンが多く黄色い声に包まれた。


 そしてストアはどうだったかというともちろん歓声はあったがやはりカワイイという声が一番多かった、リックの相棒としてマスコット感覚で人気があったのだったが本人は気付いてはいない。


 ゲイルにもちろん歓声があがった、一時は評価を落としたゲイルだったがリック達と交流しているとわかって人気は徐々に回復して昔よりも評価が上がっていった。


 本人は気付いてなかったがリックのお友達はステータスになるのだった。


 もちろん若頭の二人も最終日に合格して名前を呼ばれる、インゴとカミルと言う名が若頭たちの名前でその名前を呼ばれた時はその周りは歓声に包まれた、田舎の村出身だが無料組で輝いていたのは間違いなかった。


 二人は涙ぐみいながら前へと並んだ、最初は威勢がよかった二人だがリック達と出会ってからはそのパワーやテクニックや容姿や振る舞いとあらゆる面で圧倒されてしまい、気がつくと涙目になってしまうようになったが今回の涙は喜びの涙顔だった。


 クリストファーももちろん呼ばれた、周りにいる仲間は喜んだが一般的には無名に近かった、クリストファーは歓声が少ないことが気に入らないので少しムッとした顔で並んだ。


 そして人気はなかったがあの美しい男の名前が呼ばれた、歩き始めると女性がざわつきだす、美しい男は赤面を隠しながら歩き前に並んだ。


 クロル・アルノー、貴族らしく名字持ちだったようだ、リックやストアたちを厳しい目でみつめてから並んだ。


 そして所長の祝辞が述べられた。


「君達は本来冒険者になるためにここに来るはずだった者たちだ 冒険者は日常に潜む魔物から町や人を守るのが仕事だ 今の君達にそれを求めるのは筋違いかもしれないがイザ町や人々が魔物に襲われた時は率先して魔物と対峙して撃退してほしい、特に君達のような優秀な人がそれを担って欲しい そしておめでとうDランク合格者よ」


今度は生徒達から拍手が起こり全体に広がった。


 ストアは拍手の中、後ろを振り向いた、そういえばこんなに人が集まっているのを初めて見た気がした。


 いつもは群衆の中に隠れて全体がわからなかったが一歩離れてみるとその多さに驚いた、今後もこれだけの人が一同に介する場面に出会うことがないかもしれないと思い、この事を忘れないように記憶に刻み込んだ。


 生徒の中に帰る途中にも羨望の目や温かい拍手や声をかけてもらい養成所で頑張った甲斐があった気がしたストアであった。


 こうして卒業式を終えたのだった。


 

ストアの成績 


【魔法】ヒール ヒールウォ-ター ペインレスヒール ヒールオール エレメントホールド ライト ピュアライト ピュアウォーター ピュアヒールオール ピュアフラッシュ レッドファイヤー イエローファイヤー ファイヤーカッター イエローファイヤーカッター ウォーター ウォーターアイス ホットウォーター ウォーターカッター プロダクション ハーデンプロダクション トレースプロダクション ダーク スリープ 身体強化合格


【訓練】道歩き 重さ120キロ 槍の稽古 長さ10MMAX 弓の稽古 強さMAX

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