129話 ストア トレース・プロダクションに挑戦 冒険者養成所82日目
今回は台詞のあとに名前を出すのをやめてみました。
まだまだ試行錯誤してるので遅れることもあるかもしれませんがよろしくお願いします。
土魔法の上級に位置づけられているトレース・プロダクションをクリアできればもうひとつ他の系統魔法を覚えられるかもしれないといつもより気合が入るストア。
サーカスではリリーやソフィーと親密度の差を感じたオリアンティだったが、魔法の時間でストア成分をたっぷり吸収してモヤモヤは消えつつある。でもそうなると残りの日が気になり少し鬱な気分も交じるオリアンティ。
ストアは早速オリアンティーにトレース・プロダクションを見せてもらうことにした。
「オリアンティ トレース・プロダクションを見せて欲しい」
「うん」
オリアンティは凹んだ穴のあるレンガの穴を塞ぐようにして魔法を唱えた。
「我が魔力に包まれしモノよ 形跡なく繋がれ トレース プロダクション」
塞いでいた穴の部分から手をスライドさせるように動かすと形跡なく穴が塞がれていた。
覗き込むストアとカミラ、そしてストアは手に持ち揺らしたり穴だった周辺を叩いたり引っ掻いたりしたが穴の部分は外れることがなかった。
「オリアンティ 凄いね 接着面がわからないよ」
「本当 いつ見ても見事だわ」
「そんなことないよ」
「コツとかあれば教えてほしい」
「普通は魔力を出すというか満たす感じだけど、この魔法は周りも巻き込むというか干渉させて生えてくる感じなの」
「生える?」
「水が外から凍っていく感じなのかしら」
「カミラ そういう感じ」
「そうか ポーションで傷が治っていく感じなんだね」
「フフッ ストア君らしいわね」
「本当」
クスクスと笑うカミラとオリアンティ。
「イメージが掴めてきたから今度はいつものように手を合わせてやっていこう」
三人は合体してみたがレンガが小さくてギュウギュウになってしまった。
「ストア君 苦しい」
「無理っぽいね」
「私は対面で手を合わせるから」
「それがいいかも オリアンティはそれでいい」
「うん」
オリアンティにストアは抱きつくようにして手を合わせ、対面のカミラはストアの手に合わせた。
「我が魔力に包まれしモノよ 形跡なく繋がれ トレース プロダクション」
ストアは傷口が塞ぐようにレンガの穴を埋めていくイメージをしていた。
オリアンティが手をずらすとやはりきれいに穴はなくなっていた。
「やっぱりきれいに塞がっている 俺もこれぐらいできるように頑張るよ」
そう言ってストアが新しいレンガを手に持つとオリアンティがギュと抱きつく、レンガが小さいのでしょうがないのだが柔らかい触感どころではなく圧になっていた。
「オリアンティ 苦しそうね」
「大丈夫 大丈夫」
「クスクス そうね」
「じゃ 魔法を唱えるよ」
ストアは周りからレンガが治っていくようなイメージで魔法を唱えた。
「我が魔力に包まれしモノよ 形跡なく繋がれ トレース プロダクション」
普通は3秒もしない内に手を放すのだがストアは手を放さない。
「どうしたのストア君」
そう言われてはストアが手をスライドをさせると穴の中は蜘蛛の巣が張り巡らされていた状態になっていた。
「なにこれ」
「覚え始めの時の失敗に似てる」
「それってどういう感じなの オリアンティ」
「これはハーデン・プロダクションからトレース・プロダクションに変わったときに現れる失敗なの わかってないと普通は穴を埋めてポロリを繰り返すんだよ」
「周りから治すイメージで魔力操作したんだけど」
「治すってイメージがよくわからないけど修正していけばいいと思う」
「最初だしこれはこれで成功みたいなものなんだね」
「うん ちゃんと違いを理解してるから続ければいいよ」
「じゃ 今度は私がするわ ストア君は後ろからお願い」
ストアはうなづくとカミラの後ろに付き手を合わせたオリアンティは対面で手を合わせる。
集中していたカミラが魔法を唱えた。
「我が魔力に包まれしモノよ 形跡なく繋がれ トレース プロダクション」
カミラがスライドさせると穴は埋まっていた。
「成功かしら」
カミラはレンガを逆さまにして揺らすとポロっと穴の部分のレンガがとれてしまった。
「あっ」
「普通はこういう感じの失敗をするの」
「カミラは凍る感じでしてたんじゃないの」
「そのつもりだったんだけどストア君のスカスカを見てると埋めるイメージが強くなったみたい」
お互い苦笑するストアとカミラ。
「続ければできるようになるよ」
ストアはそう言われて魔法を唱え続けたがなかなか蜘蛛の巣から抜け出せない、カミラも蜘蛛の巣にはなったが埋まるところまではいかなかった。
「難しいわね」
「周りから埋めていってる感覚がまだ掴めていないよ」
「これも個別にやったほうがいいのかしら」
「カミラも発動はしてるみたいだからそのほうがいいのかもしれない」
「えー」
「悪いけれどオリアンティはストア君に教えてもらった魔法を練習してて欲しいわ」
「昨日は発動したけど火が出る程度だったね」
寂しそうな顔をするオリアンティだったが仕方ないという感じで同意するのだった。
「仕方ないよね でも 必要だったら呼んでね」
「オリアンティ ありがとう そう言ってもらえると助かるよ」
オリアンティはハニカミ、カミラは顔を隠して笑っていた。
そうして残りの授業は個別に魔法の訓練をしたがどちらも完全な成功はできなかった。
そしてオリアンティの炎だけが伸び続け3Mに達したのだった。
私の熱い想いよ炎になれと心の中で唱え続けたオリアンティだった。




