11話 イケメン貴公子登場 冒険者養成所入居日
朝起きて最後の稽古をして朝食を食べたストア親子、冒険者養成所にはストアだけで行くようだ。
「それじゃー行ってきます」
「うむ 何かあったら手紙をくれ なくても手紙を送ってくれたら母さんが喜ぶ」
「わかったよ できるだけそうするよ」
ストアはほとんど冒険者養成所に行くには関係のない物を詰め込んだリュックを背負って冒険者養成所へ向かった。
(おっ 集まってる 集まってる)
「昨日、受付をすませた人はこちらに集合してください」
人の移動が始まりストアも移動した。
移動が終わるとメガフォンを持った男性が壇上に立ってしゃべり始めた。
「今日から3か月、君たちは訓練や基礎学習を受けることになる。国民は身分を問わず、参加することができます。出所後は冒険者カードという身分証明書を持つことになり、それは身分の証になります。また治めた訓練や学習が優秀であれば養成所が内容を書き込み保障もします。それによって君たちは有利な条件で仕事を探すことができるようになります。」
「おおっ」 「そんなことが」歓声が聞こえる
「そして基本的に冒険者養成所は住居も食事も無料です」
「おおっ」「ラッキー」などの声が漏れ聞こえる
「基本的には8人部屋で二人部屋や一人部屋や食事を選びたい人は有料です」
「二人部屋は週銀貨1枚・一人部屋は大銀貨1枚になります」
「高い」「安い」「どんなメシなんだ」などの声が漏れ聞こえる。
「養成所で成績上位の者は有料の食事が無料になります、皆さん頑張っていい成績を残してください」
「おおお」「やったるぜ」と今日一番の歓声が聞こえた。
「なお荷物を預かった場合は養成所が責任を持ちますがそれ以外では責任を持ちません、その点も留意してどれを選ぶかを決めて下さい」
(8人部屋は論外だ、安全を考えるなら間違いなく一人部屋だが)
「8人部屋希望なら右の受付へそれ以外は左の受付へ、決まったら木札を持って受付に言ってください」
(リュックがなければ二人部屋なんだが)
ストアは左側に並んで迷いに迷う、しかし並んでいる人を見ると明らかに小奇麗な格好している、そしてみんな、二人部屋を希望している。
(二人部屋でいいか)
ストアはそう決めて受付の人に希望を言った。
「二人部屋で食事は有料でお願いします」
「二人部屋で有料ね」
受付の女性が何かを書き込むとひものついた木札を2枚取り出してストアに渡した。
「荷物に木札を取り付けてね もうひとつは自分で携帯してね 荷物を受け取るときに必要だから」
「わかりました」
「そして木札の番号が部屋の番号になります」
「わかりました」
皆の受付が終わるとそれぞれグループに分かれて移動が始まった。
大きな学校のような建物が並んで建っている、まるで団地のようだ。
21番と書いてある建物に指導官が誘導する。
「まずは自分たちの部屋を確認してくれ、そして荷物を置かず、再度集合してくれ」
言われた通り21番の建物に入るストア達、そして各自、自分の部屋を探し始めた。
(59番はこっちかな)
「おっ ココだ」
(ベットが2つ 机が2つ ロッカー(カギ付き)2つ 真ん中にカーテンかぁ 机の上に服がある)
「おっと失礼」
「僕は60番 君が59番?」
「そうだけど」
「ああ 残念 女性との相部屋を望んだのに」
(何を言ってんだ コイツ)
「僕はリック 君は」
「ストアだよ よろしく」
「これも何かの縁だ 仲良くしよう」
「ああ」
こうして最初の友人?のリックと相部屋に住むことになった。
リック・ハンデルはグリーンフラワー出身で、国でも有数の交易商、ハンデル商会の御曹司、身長は172CM、金髪碧眼の甘いマスクの美男子。
確認が終わったので集合場所に戻る二人、他の人も二人並んで歩いてくる。
「おっ あの子 かわいいな」
「えっ」
「君は見てなかったのかい」
リックの為にリズムを狂わせられるストア
「女性を見たら すぐチェックだ 出会いを見逃すと愛の女神のお怒りを受けるぞ」
愛の女神はリックを気にいっているのだろうか?とストアは思ったが、面倒くさいのでそのまま無言で通した。
全員集合したのを確認すると指導官は、
「全員、部屋を確認しましたね」
みんなうなずく。
「服が部屋にありましたね、訓練があるときは着替えてきてください、汚れたら洗濯場に持っていき、交換してください、わかった人は手をあげてくれ」
一斉にみんな手をあげた。
「次は荷物の預かり所に行きます」
といい誘導し始めた、女同志、男同士、相部屋の住人としゃべりながら移動した。
「ここが荷物の預かり所だ、訓練の時など自分が管理できないときに預けてくれ、預かると木のカギを受け取ってくれ、返却時にそのカギを渡してほしい、そしてカバンと所持している木札同士が同じなら荷物を引き渡すことになっている」
「わかった人は手をあげてくれ」
一斉にみんな手をあげた。
「よし 次は食堂に行く ではついて来てくれ」
みんなゾロゾロと動き出す、そして食堂に到着した。
「料理は毎食3種類用意されている、まず受付で金を払い好きな料理の木札をもらったら番号の場所で木札を渡して料理と交換してくれ、わかった人は手をあげてくれ」
一斉にみんな手をあげた。
「細かい注文はできないみたいだね」
「そうだね」
次は洗濯場と浴室など移動しながら説明を受けた、最後に広場で明日からのカリキュラムについて説明を受けた、訓練から学習に入る組と学習して訓練の組にわかれるらしい、訓練や学習でいい成績だと赤い木札をくれるらしい、それを食堂に持っていくと無料で有料の食事が食べられるみたいだ。
「ストア 赤札 狙う?」
「まぁ 訓練次第かな」
「そうだな 別に困ってるわけじゃないからね」
「君たちは朝訓練組だ 明日、朝食をすませたら 荷物を預けて広場に集合だ では 解散」
こうしてみんな自分の部屋に戻って行ったがまたみんな出かけるみたいだ。
「ストア 昼食食べに行こう」
(それでみんな出て行ったのか?)
「おう 行こう」
ストア達は食堂についた。
(串焼き・野菜スープ・パンのセット 肉入り野菜炒め・野菜スープ・パンのセット 鳥のモモの照り焼き・野菜スープ・パンのセット)
「メイン以外同じだね」
「う~ん これで有料なのかい」
「肉は必ず入ってるからね」
「僕は串焼きにする」
「俺は鳥のモモ」
二人は木札を出して食事を持って食べれるところを探す。
「おっ あそこがいいんじゃない」というと移動を開始するリック、ストアも後ろについていった。
「ココ いい?」と女の子が座ってる席に声をかけた。
「ええ」
他に空いている場所があるのにちゃっかり女の子と相席してしまうリック、そしてストアも続いて座る前に軽い挨拶をする。
「ありがとう」といって座った。
「僕はリック グリーンフラワーから来たんだ」
「ああ 俺はストア ウルルっていう町から来たんだよ」
「私たちはベロニーニから来たの」
「わたしはカトリーヌ となりの子がソフィー」
金髪碧眼の美人なカトリーヌと茶髪緑目の健康的なかわいさを振りまくソフィー。
「やはり古都には君たちみたいにかわいい子ばっかりいるのかな?」
キャッキャと盛り上がる女の子たち、リックは軽妙な会話を繰り広げる、そしてリックとカトリーヌの会話が弾んでいるときに、
ソフィーが「ストア君 ウルルってどんなとこ?」
などと色々質問してきて、ストアが気になるようだった。
周りにいた男たちはストア達を羨ましげにみていた。
「そうだこれからハートビート観光でもしない?」
「いいね いいね」
「明日から訓練と勉強の毎日だし行こうよ」
「うんうん」
こうして男女4人は観光に行くのだった。
リックやカトリーヌやソフィーは都会育ちで流行に敏感で人気のお店を巡った。
ただストアだけは初めてみるものばかりで一人、驚きっぱなしだった。
そんなストアをみて笑いあう三人、ストアは苦笑いをして照れまくった。
「たのしかった」
「また時間があれば遊ぼうね」
「いつでも美女の為には時間を空けておくよ」
「みんなと遊べてたのしかったよ ハートビートって凄いね」
また三人が笑った、そして男女分かれて部屋に戻った。
「カトリーヌもソフィーも甲乙つけがたい」
「どっちもいい子だったね」
「しかし ここに来てる美女は二人だけではないはず」
「エエーッ 他の誰かに声をかけるの?」
「国中から集まってるのに知り合えないのは、愛の女神に申し訳ない」
「だめだこりゃ」
それからリックの恋愛レクチャーを適当に聞き流して、ストア達は眠った。
色々な興奮や出会いを経験した日になった。




