104話 重装歩兵連隊の訓練の見学 冒険者養成所75日目(前編)
早朝早々に集まった男子軍団は国軍の訓練の見学をするために集まったのだ。
「何人来てる?」
「俺・アレクシス・ゲイル・クリストファー・若頭 全員で15人ぐらいだよ」
「来ない奴もいるのか?」とクリストファー
「好き好きだろ」とアレクシス
「先輩たちの実力をみてやるぜ」とゲイル
「私も行くのを忘れないでね」とリタ
「それじゃーみんな行こうか もう訓練始めてるだろうから」
そしてストア達はハートビートの西の郊外にある演習場へ走り出した。
リックはゆっくり走っているつもりだったが子分達は遅れ始めていた、リックはしばらく様子を見ていたが我慢できなくなり、みんなに大声で言った。
「ここからは競争だよ ついてこれなかったらゆっくりくればいい」
そう言うと加速して走り出した、ストアもアレクシスもリタも続きゲイルも追い付こうと身体強化を使って走り出す。若頭も追いかけたがリック達はどんどん加速して追い付けない、クリストファーはここで身体強化を使って魔力の消耗はしたくないと考え、子分達と一緒に走ることにしたのだった。
誰もいない道を時速にすると30キロの速さで走ること5分で演習場に到着した、ストアもアレクシスも遅れず、しばらくしてリタ、すぐ後ろにゲイルがやってくるのだった。
「はぁはぁ なんだよ 走る訓練もしてたのかよ」とゲイル
「さすがに他の奴はついてこれなかったね」とリタ
「俺達 ハートビート1周競争をしようと思ってたから走る訓練もしてたんだ」とストア
「面白いこと考えてるな」とアレクシス
そんな話をしている内にリックは兵士に声を掛けていた。
「グンター守備隊長から許可を受けて来たリック・ハンデルなのですが見学は出来ますか?」
「これはリック ハンデル様 話は聞いております こちらへどうぞ」
そう言うと連隊長の元へ誘導する兵士、リック達は緊張しながら兵士の後に続いて歩くとメイスのような先の尖っていない2Mほどの武器でお互いけん制し合いながら稽古している姿があった、武器も防具も頑丈そうで重そうにみえるのに、重さをまったく感じさせないほどお互いの動きははやかった。
「あの重そうな防具であの動きかよ」とクリストファー
「身体強化を使ってるのかな」とストア
「さすがにバケモン揃いだな」とアレクシス
「私 自信なくしちゃう」とリタ
「俺も無敵のゲイルと呼ばれた時期がありましたから」とゲイル
歩いている内にクリストファー達が走ってきて追い付いてきた。
「はぁはぁ やっと追い付いたぜ」とクリストファー
兵士は連隊長の所まで連れていき報告すると連隊長がやってきた。
「私は第一重装歩兵連隊を任されているライナー・アインホルンだ」
「始めまして 僕はリック・ハンデルです 見学を許していただきありがとうございます」
「うむ 君が一番見たかったのが重装歩兵連隊と聞いて鼻が高かったぞ」
「攻守ともにかなめになる連隊ですし、その破壊力と守備力を目の前で見たかったんです」
「うむうむ よくわかってるじゃないか 守備のかなめであり時には突き崩す為の先陣にもなる まぁ普段は道路整備をしてるがな ガッハッハ」
「はい 立派な道路があるのも運河も重装歩兵なくしては無かったと」
「そうじゃ 弱小国でしかなかったアンティコルムは最強の連隊をインフラ整備に使い発展の元を築いたのじゃ」
「本当に先王のアイデアは凄かったです」
「で そこにいる人たちは君の友達かね?」
「はい 養成所で一緒に稽古をしている仲間です」
「私はストア・ドラッグです」
「アレクシス・ライドンです」
「リタです」
「クリストファーです」
「ゲイルです」
みんなそれぞれ挨拶をした。
「ほぉ ひとり女の子がいるのかね?」
「リタは身体強化の木刀殴りをクリアしているので稽古も一緒にしています」とリック
「それは凄いな 君たちの中で木刀殴りをクリアしている人は何人いるのかね」
「私とストアとアレクシスとリタとゲイルの5人です」
クリストファーも木刀殴りをクリアできる実力はあるのだが
「ほっほ 君達は騎士になるつもりかい」
「いいえ ほとんど商家の者で家業を継ぐつもりなのです ただゲイルは騎士志望です」
「それは残念だね ゲイル君は君かね」
「は はい」
「うむ いいカラダをしている 入隊を楽しみにしているぞ」
「はっ はい ありがとうございます」
ライナー・アインホルン連隊長は連隊の体が温まってきたと感じて次の訓練に移行するように命令をした。
「突貫第一に移行」
そういうと守備側と攻撃側に分かれ縦列を組む、守備側は大盾を隙の入り込む余地のないように構える、そして攻撃側は無手の状態で待機する。
「突貫」と号令を発する連隊長。
10M先から明らかに身体強化を使って一斉に大盾に飛び込んでいく、それは何台もの小型車が50キロのスピードでぶつかってくるようであった。
「ドドドドドドドーン」
ショルダータックルで大盾にぶつかりそして後ろからも更に飛び込んで守っている陣を突き崩していく。
「守備側 身体強化の力の入れる場所が甘い もう一度やり直しだ」
ストア達はその圧倒的なパワーに声も出ない、これが集団対集団の戦いなのかと戦慄を覚えずにはいられなかった。
そして攻守を変えて突貫の訓練は続いた、しかし身体強化を使っているのはほんの数秒でしかないことにもリックやストアは気づくのだった。
そして第二に移行すると攻撃側が盾を持ち、守備側はメイスのような物を前に出しけん制している場所に攻撃側は飛び込んでいく、当たると同時に火花が散りながらもメイスの脇をすり抜けて攻撃側がぐいぐい押して崩していく、危険な行為なのか怪我人が続出したがすばやく救護班に救護され治療して戦線復帰をしていく。
「滅茶苦茶だな」とアレクシス
「やべいな」とクリストファー
「これが戦争なのかい」とリタ
「間合いとか関係ないよね」とストア
「これが見たかったんだ」とリック
「俺 やっていけるかな」とゲイル
それぞれ印象は違えども本物の軍隊の迫力を目に焼き付けたのだった。
「どうだったかな 訓練を見た印象は」
「やはり集団の迫力に圧倒されました ただ思いのほか身体強化を使ってないんだなと思いました」
「ほぉ よく見てるね」
「やはり使いどころをよく知らないと戦争には勝てないんだなと思いました」
「うむうむ よく気付いたな 魔力がなくなった時点で負けは決定してしまうからな」
「やっぱり そうですよね」
「君達も訓練してみるかい」
「突貫の訓練ですか」
「はっはっは 鎧を着て稽古するだけだよ」
「お願いします みんなもいいよね」
「当然だ」
みんなは訓練を見て熱くなっていたのだった。




