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使用例そのさん

 アンジェラは活発な彼女であった。

 グラディスは知的な彼女であった。

 ニコラスは頼りがいのある人であった。

 エシルは空想好きの彼女であった。

 サロメは熱に浮かれた彼女であった。

 そう、すべては在りし日の彼女であり、今は失われた姿。

 アグネス。

 彼らの名の頭文字を取ると(Angela,Gladys,Nicholas,Ethyl,Salome) a・g・n・e・s、私の名前になる。

 幼い頃の私はまさにアンジェラだった。なにもかも輝いて見えて。

 その次はニコラス。あのときは誰かの役に立ちたくて必死だった。男の子になりたいって願ってたっけ。

 次の私は、エシルだった。いつまで経っても叶わない願いに痺れを切らして空想の世界に飛び込んだ。そこでの私はいつも王さま。願ったことはすぐに叶った。

 サロメはその次の私だった。空想から現実に目を向け始めた私だったけど、いままでの癖が抜けなくて突拍子もないことばかり言っていた。トレジャーマウンドに入りたいなんて言った気もする。

 グラディスはつい最近の私だ。トレジャーマウンドから一転、落ち着いた大人の女性に憧れたのだ。今もそう。知ってることを教えて、納得したり慕ってくれたり……楽しかった毎日。

 夢が弾けていく。現実が顔を出した。

 大人になるのに、すべてを捨てる必要があるだろうか? 夢はほとんどなくなってしまったけれど、現実の光は容赦なく私を照らすけれど。

 昔の私を置いてはいくなんてできなかった。




せっかくだから名前で名前をアナグラム。

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