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メイの家

「邪魔しちゃいましたね、ごめんですぅ、あーりん」


「いいのよ、大体アドバイスはもらったから…、ってメイはどこ行くの?」


「これ、返しに行くです。終了式近いですし」


メイは、手に持った分厚い本を愛梨沙に掲げて見せた。


「また、歴史関連?」


「そうです、新撰組私大好きなんです。沖田様~」


メイは、うっとりと幸せそうに本を抱きしめてた。


「あ、今日は2時には図書室閉まっちゃうんでいきますね、では」


「じゃ・・・あれ、メイ?」


愛梨沙は、メイにバイバイをしたとき、メイの髪飾りに何か文様が入ってるのに気付いた。


前には確かこんな奇妙な文様が入っていなかったはずである。


珍しくて、愛梨沙は、メイの髪にちょっと手を伸ばしてみた。


「あ、それは、あーりんさわらないでください、ですぅ」


メイは身をひるがえして髪に触ろうとする愛梨沙の手をよけた。


「え、どうして、前なかったよねそんな面白い髪飾り・・・」


「お母様がくれたんです。17になる前にうちの家訓で長女は必ずこの文様のついたものをどこかに身に着けなければならないんですぅ。触られてはいけない決まりなのでごめんなさい、です・・・」


申し訳なさそうなメイの姿に少しぐらいとはいいだせず、愛梨沙は、そのまま手を引っ込めた。

「メイ、ごめんね」


「いいです。私の方こそごめんなのです、あ。図書室閉まっちゃう。今度こそほんとに、ばいばいです」


メイは、パタパタと小走りで図書室の方へ走って行った。


視聴覚室では、相変わらず薫子の占いにどよめきと歓声が上がっていた。


愛梨沙は、まだ昼食もとっていないことに気付き、慌てて校舎を後にした。



一学期の終わりの日、メイが誕生日会お知らせのメールを打ってきた。


集合場所やら時間、スケジュールが記されていた。


プレゼントなにしようかな、愛梨沙はその日一日中考え込んでいた。


放課後、一応かぶらないようにマユとにゃー子に相談した。


帰りににゃー子と近くの店で歴史に関連した面白グッズを吟味して

二日後の来たるべき日に備えた。




当日になった。集合場所にメイとマユは先に到着していた。そこに少し遅れて、愛梨沙とにゃー子が姿をあらわした。


電車からバスを乗り継いで、一時間。そこから、徒歩で20分程度。目的のメイのうちにつく。


「ちょっとした小旅行にゃ。メイ、毎日よく学校通ってるにゃ」


「慣れれば、楽しいですよ。ゆっくり始発から座れるし本も読めるので」


メイは軽快な足取りで進んでいくと、急に立ち止まり、にこやかに指を差した。


「こっこでーす、にゃーこさーん」


「ここって・・・、ここはもしかして・・・」



にゃー子は、メイに指差された方向を見て驚いた。


「神社ジャマイカ。。。」


「そ、です。うちはここの宮司さんなんです」


古風なたたずまいの中に厳かな雰囲気を醸し出す神社はかなりの敷地がある。


木々が生い茂っているが不思議に暗さはない。ちょっとした散歩にも最適な感じだ。


鳥居をくぐって、奥のお宮に案内された。


「住まいは、ここに来る手前のかどにあるんですが、今日は特別です」


「由緒正しき神社で、とおくから、氏子がお札をもらいに来るとこなんだってさ、中で寝泊まりできるようになってるんだって」


マユがにゃー子に説明した。


「じゃ、メイのうちってすごいんだ」


「ううん、ほんとは、京都の方で小さいお宮の管理してたんですけど、ここの宮司さんの継ぎ手がいなくて私たち呼ばれたんです。7年ほどまえになりますけど」



「へえ、お祭りできそうだにゃ広くて」


「ここの祭礼すごいのよ、人出がすごいんだから。夜店なんかいっぱいこの両脇並んじゃうし。ただ、この2年はお宮と鳥居の改修でやってないんだけどね」


マユがまた説明を加えた。


「また、来年からできますよ、その時はまた皆さんいらしてくださいね」


「楽しみ」


「ほんと」


みんなは来年に思いをはせた。


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