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教師の勘?

「にゃー子、わたし悔しすぎる」


教室に帰ってからもう何度この言葉を聞いたであろうか。


放課後になっていた。


気づくと愛梨沙とにゃー子の二人きり。


初めこそ、親身にマユもメイも聞いていたが、あまりにしつこいのでトイレにいくふりをして帰ってしまったのだ。


「にゃー、もー帰ろー。あーりん」


「二晩続けてわたし、にゃー子のコイバナ聞いてあげたよねー、ねー。ねー、もう忘れた?ねー?自分だけよければいいの?にゃー子ってそういう人?ねー」


「じゃ、どうしたいんにゃ、あーりんは」


「だーかーらー、にゃー子。わかるでしょ…ほら、」

「ほら…?」


「神通力ってやつで、ちゃちゃっとさ、追試を…」


「えええー」


にゃー子はぶっ飛んだ。


「にゃー子だってこのままいけば、絶対補習間違いなしよ、嫌でしょ?だったら数学は私が解いて、歴史はにゃー子が解けば追試なんてちょろいじゃない。それとも、神通力でどうにもならないなんてことないでしょうね、承知しないわよ」


愛梨沙に凄まれて、にゃー子はたじろいだ。


まるで、どっかのガキ大将とそのいじめられっこの二人の悪いとこだけ取ったような愛梨沙の言い分に、にゃー子は、言い返すことができなかった。


「あら、まだいたの?」


教室のドアが開いて、薫子が顔をのぞかせた。


「あ、すいません。すぐ帰ります。」


愛梨沙とにゃー子は立ち上がった。


「あー、望月、橘…。ちょっと」


不敵な笑みを讃えて、薫子が手招きしながら二人を呼んだ。


そして、二人の背後から肩に手をかけ、間から顔をだして、話はじめた。


「望月。私の担当科目で、赤点取るなんていい度胸してるじゃなーい、ちゃんと来週の追試…、わかってんよなぁ」


前半の天使のような囁きとは、一転して、わかってんよなぁに、愛梨沙は身震いするほどの何かを感じた。


「は、はい。任せてください。今度は…ばっちり…です。」


愛梨沙は威圧感に圧倒されながら答えた。


「橘!零点て、どーいうことだ?数学の田渕センセからくどくど、くどくど…何べんもくどかれて…私ゃ、口説かれてんのかと思ったよ。」


「すいません。追試、頑張ります」


にゃー子は怖すぎて普通に謝った。


「帰ってこれから勉強しまーす」


薫子の手をすり抜けると、愛梨沙とにゃー子は声を合わせ、一目散に教室を後にした。


「あとー、良からぬこと企んで、なめたマネしたら…、わかってんでしょうね」

追撃の槍が、後方の薫子から飛んできた。


二人は身震いしながら慌てて校舎を後にした。



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