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第四十話



 ユニークスキル『一騎当千』(ワン・マン・アーミー)の効果により、ボク達の倍の量はある、凄まじいオーラを身体から立ち上がらせている男は、手に持っている槍をボク達に向けながら宣言した。


「さっさとかかってきな、力の差ってやつを教えてやるよ」


 ……確かにあれだけのオーラを纏っていれば、力任せにボク達を退けることができるだろう。さて、どうしようか……全員で一斉に攻撃してみたら、もしかしたら倒せるかもしれないけど、倒せずにあのオーラで暴れまわられても厄介だよね……オーラさえ無ければザコなんだから、オーラの方をどうにかした方がいいかな。確か、この人のユニークスキルは相手が多いほど力が増すって言ったよね。なら、ボクのすべきことは……


「武器を収めてどうしようっていうんだ、降伏するなら土下座しな!! そしたら許してやらんこともねーぞ」


 武器を収めて、オーラも消したボクを見て、男は調子に乗っているが予想通りオーラが一段階小さくなっていた。


「ほら、モモちゃんも武器をしまって」


「え? ああそういう事か~~」


 モモちゃんもボクの言う通り、武器を収めると、更にオーラが小さくなった。それを見た、フーカさんとカオルさんもボクがしている意味が分かったようだ。


「どうする、フーカがやる?」


「ええ、お任せください」


 フーカさんが前に出て、カオルさんが武器を収めると、男のオーラの量が普通の量になり、どうやらユニークスキルの効果が切れたようだ。予想通りユニークスキル『一騎当千』(ワン・マン・アーミー)は一斉に襲いかからないと効果がなく。一騎打ちの様に相手が一人になると効果を失うようだ。


「え……なめんなよ!! 『一騎当千』(ワン・マン・アーミー)の効果を消したら勝てると思ってんのか」


「ええ、もちろんですわ」


 ユニークスキルをあっさりと無効化された男が叫んで脅していたがもはや意味はなかった。どう考えても男に勝ち目はないから。隣に来たモモちゃんは既に観戦ムードでカバンからお茶を出して、ボク達に配っていた。


「ちっ舐めやがって。この貧乳が!!」


 その瞬間、フーカさんの目から光が無くなり、あたりに静寂が訪れた。そう、まるで嵐の前の静けさの様に。


「あかん、フーカに胸の話題は厳禁や…かなり気にしているから」


「フ…フフフ……死になさい!! このクズ野郎!!」


 そこから先は、シンヤ以上の鬼と化したフーカさんが暴れまわり、戦いに決着がついた。


 ちなみに何がとは言わないが

 ユウキ…D

 カオル…F

 モモ…小学生

 フーカ…A

 である。


 男達との戦いが終わり。フーカさん達がこちらにお礼を言ってきた。


「先程は助かりましたわユウキさん。改めてお礼を申し上げます」


「いいよ、こっちが勝手に首を突っ込んだだけだから」


「それでも、私たちを助けようとしたことには変わりありませんわ。お礼になるかわかりませんが、これはユウキさんに差し上げます」


 そう言って、フーカさんがくれたのは男が使っていた槍だった。


『一騎当千』(ワン・マン・アーミー)

 一人で多くの敵を相手にするとき、相手の数によって、自身の能力が向上する。


 どうやら、ユニークアイテムになっていたらしい。ボクは槍は今のところ使わないし、一人で多数の敵を相手にしたくないからいらないけど断るのも何だったので貰っておくことにした。


「ところで、ユウキさんもしよろしければ、これからも私たちとパーティーを組んでくれませんか」


 フーカさんがボクをパーティーに誘ってきた。ただ、既にボクはシンヤ達と組んでいるからどうしようかと悩んでしまう。


「えっと……ボクは既に組んでいる相手がいるんだけど…その人達と一緒でもいいかな」


「構いませんわ、ユウキさんの様な方と組んでいる人なら信頼できそうですし、その人たちはどちらにいらっしゃるのですか?」


 ……何もしていなければ街にいるだろうけど、シンヤ達はフーカさんの信頼に応えることができるだろうか。ある意味さっきの男達より質が悪いからな~。


「今は別行動しているから、シンヤ達はフェラーラにいると思うよ。ただ…」


「ただ?」


「何か余計なことを言ってきたら容赦なく叩いていいから。うん、遠慮なんかいらないよ」


「どんな方と組んでいらっしゃるのですか!?」

 

 ただの戦闘狂とその幼馴染達です。


「それじゃ~、シンに~さん達と顔合わせするために、これから街に帰るってことでいいかな? それとフーね~さん、一つ聞いてみたいことがあるんだけど」


「何ですの、モモさん」


「さっきの男の人達ってなんて名前だったのかな? 確認するのを忘れちゃった」


 そう言えば、ボクも名前の確認をしていなかったね。


「知りませんわ、カオルは分かりますか」


「私も知らんわ、出来れば二度と顔を合わせたくわないっと思ったし」


 ……こうしてボク達の名前も知られることが無かった男達との戦いが終わった。










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