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第三十六話




 現れたクトーニアンは隕石を殻の様にかぶっており、沢山の触手を持つ怪物だった。


 俺たちは、前衛として重装備で装甲が厚いナタリアとトンファーを持ち、装備も硬めにしているソースケを敵の正面にたたせ、タンクの役割をしてもらい、遊撃として俺とグレートソードを装備したアッシュとバトルアックスを装備したカーミラは強力な攻撃を叩き込むアタッカーの役割を、後衛としてアーチャーのイリスは弓チクをメグは回復魔術などのサポート系を覚えているらしいからヒーラーの役割をハルトは様々な魔術を覚えており、状況に応じて魔術を使い分けてもらう予定だ。


「いくぜ!!」


 ナタリアとソースケがクトーニアンの触手攻撃を引き受けてくれている間に俺たちは一気に本体までの距離を詰め攻撃した。


「「《パワースラッシュ》」」


 ガキン!!


 アッシュとカーミラのスキルがクトーニアンの隕石の様な殻に命中するがその硬度で弾かれていた。


「どうやら殻は想像以上に硬いようだな……なら!」


 俺はタコやイカに似た本体その物を斬りつけてみた、すると刃はあっさりと通り、斬られたところから勢いよく青い体液が噴き出てきた。


「うわ!! キモ」


 本体その物の防御力は大したことはないっとわかったが、斬ると同時に噴き出してきた体液に俺は驚いた。このゲームでは血とか体液は基本的に赤いエフェクトで表示されているが、コイツのは体液は青い液体で噴き出してきた……この液体はやばいかも。


「《アクア》……大丈夫かシンヤ」


 青い体液を浴びた俺をハルトが魔術で作った水ですぐさま洗い流してくれ、俺は体の調子を確認するために、軽く身体を動かしてみた。


「……今のところは問題はないが、斬るときに注意しないとあの液体を浴びすぎるのは不味いよな」


「そうだね、わざわざ青い液体で表示しているくらいだから、絶対になんか効果があるはずだよ」


 アッシュたちも青い体液はやばいと判断したのか、攻撃方法を一撃離脱にしており、できるだけ体液を浴びない様に気を付けていた。


 正面の二人は堅く守りを固めており、防御をくずすことができず、周囲を駆けまわる俺たちからは体の柔らかい部分を斬られていき、さらには後方から矢と魔法が飛んできて、度重なる攻撃にさらされてクトーニアンは攻撃方法を変えてきた。


 俺は時折襲ってくる触手を斬り飛ばしつつ(斬り飛ばした触手はしばらくすると再生する)隙を窺ていると、足の裏から振動を感じ素早くその場から飛び退いた。


 飛び退くと同時に地面から触手が突き出してきて、こちらを攻撃してきた。


「気を付けろ、地面の下からも攻撃してくるぞ」


 俺たち遊撃組は常に動き回っており問題はないが、前衛としてクトーニアンの正面に立っていた二人は前からの触手と地面からの触手攻撃にさらされてしまった。


 ソースケは素早く身をひるがえし回避したが、重装備のナタリアは攻撃を捌ききれずにまともに受けてしまった。クトーニアンの触手はナタリアの鎧を突き破り、鎧の内側から彼女の体を締め付けているようだった。


「あぅ…っく」


「触手プレイキターー」


「《武装・闘気刃》」


 触手に縛られて呻いているナタリアを見ながら後ろで変態が何か騒いでいるが、それを気にせずにソースケはオーラを刃状に変化させ、トンファーに付与し、素早くナタリアを縛っている触手を切り裂いていった。


「ありがとうございます、ソースケさん」


「気にするな」


「《ヒール》大丈夫ナタリア」


 すぐさま、後方からメグが回復魔術で援護してきたが、それがクトーニアンの注目を集めてしまったのか、後衛のところまで触手の攻撃が来てしまった。


 地面から飛び出してきた触手に対応できず、後衛組は次々と縛り上げられてしまった。


「きゃぁ!!」


「なっ!! はなせーー」


「のわわわ~~」


 三者三様の悲鳴を上げながら縛り上げられて三人をみて、俺は……メグって結構スタイルがいいんだな~と思った。


 先程のナタリアは鎧があり、触手は鎧の内側を締め付けており、様子を確認することができなかったが、今回の二人は軽装なので思う存分見ることができた。


 メグは魔法使いらしい、ゆったりとしたローブを身に着けていたが、触手に縛られることにより、意外と大きいな胸が強調される感じになり、イリスは胸はそこまで大きくないのが、全身を舐めまわすかのように縛り上げている触手により、違ったエロスを感じられる。


「メグ!! 今助ける」


「今行くよイリス!!」


 アッシュとカーミラは二人を救出するべく、一反後方へ戻っていったので、俺も便乗してより近くで眺められる位置に移動した。


「シンヤーー助けてくれーーー」


 触手に捕らえられて振り回されているハルトからそんな声がする。


「何言ってんだ、お前触手プレイは好きだろ、こっちは気にせずに思いっきり堪能していいぞ」


「ちょっ、違う自分は触手に捕らえられている女の子を見るのが好きであって、自分が触手に捕らえられたいって願望は無いよ!! 自分が触手捕らわれてどう興奮しろっていうのさ、触手にしごいて貰えっていうのか!?」


 下品だぞハルト。


 流石にうるさいのでハルトを捕らえている触手を斬り飛ばして、助けてやった。向うも救出したようで触手から解放されていた。


「あ~~このクソモンスターがもう許せな!! ナタリア道を作るからやっちゃって」


 メグが目の奥に怒りによるくらい光を纏わせながら叫んでいた。


「ふふふ、そうですねこのモンスターには死ぬほど痛い目に合って貰わないとなりませんね・・・ソースケさん申し訳ありませんがしばらく一人で正面を担当してくれませんか」


「あ…ああ、問題ない」


 どうやら、縛られていたナタリアも怒っているようだ。その静かな怒りに流石ソースケも怯えたように首を縦に振っていた。


「じゃあ、ウチからいくよーー《アローレイン》」


 放たれた矢は空中で分裂し、次々とクトーニアンの触手を串刺しにし、地面に縫いとめていった。


「吹き飛べこのバカ《テンペストランサー》」


 メグから放たれた渦巻く風の槍は、残った触手を吹き飛ばしながら本体まで突き進み直撃した。


「あらあら、懐まで道ができましたわね《ペネトレイター》」


 ナタリアの持つ突撃槍に螺旋状のオーラが纏い、突き刺したクトーニアンから凄まじい切削音と共に激しい血しぶきをまき散らさせた。


 突き刺された槍の威力にクトーニアンは触手を激しく振るわせてナタリアを引きはがそうとしたが、俺とアッシュが割って入り、触手を斬り飛ばしていき、そしてクトーニアンは顔面に大きな風穴をあけ、その命を散らした。











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