第二十話
「っていうか、みんなひどくねぇか。いきなり俺を総攻撃するなんて」
オーガの群れを討伐し終わった後エレウシスに帰還し、俺は打ち上げでバンチョウに愚痴っていた。とっさに躱したからよかったものを直撃したら間違いなく死んでいたぞ。
「そりゃ~しかたねぇよ、あの時のお前の姿は鬼そのものだったしな」
そうかな・・・ただ左腕が鬼人の篭手で鬼の様な腕に変化しただけで。
「ねぇシンヤ、まさか左腕が変化しただけとか思ってないよね。あの時のシンヤって左腕が鬼人の篭手により鬼のてに変化しさらに繋ぎ目から侵食されているように赤黒い血管が体を這い上がって来ていて、オンブラの攻撃で服はボロボロ、そして刀を片手にオーガの群れの真ん中で悪鬼のような笑顔で雄たけびを上げていたら誰だって間違えるよ」
・・・そこまでひどかったか。
「そうだな~、あの時ユウキの嬢ちゃんが間に割って入らないと追撃が飛んできたかもしれないな」
流石にそれは困るな・・・あれだけの冒険者は倒しきれないかもしれない。
「・・・今、変なこと考えなかった。具体的に言うと冒険者に襲いかかる方面で」
「・・・そんなことないよ」
最近のユウキは、俺の考えを読み始めたな。
「そういえば、オンブラがユニークアイテムを落としたよね。あれはどうするの?」
ああ、あれか・・・アイツのユニークスキルが宿ったのは大剣だから扱いに困っているんだよな・・・。
・『影踏み鬼』
影を踏んだ相手の影に移動することができる。
影踏み鬼か・・・確か鬼ごっこの一つで影を踏んだら鬼が変わる遊びだったな。だから、影を踏むと鬼が入れ替わるのか。
「取りあえず、使い道ができるまで持っておくか、金には困っていないし」
「そうだね・・・それからシンヤ、言うのを忘れていたけど助けに来てくれてありがとう」
「ああ、それならモモにお礼を言っておけ、あの子が教えてくれたから駆け付けることができたんだ」
「わかっているよ、それでも助けに来てくれたシンヤにも言っておきたいんだよ」
そこで、俺はプレゼントを買っていたことを思い出し、ユウキに渡すことにした。
「ならユウキ、こいつを受け取ってくれ」
ついこの間、俺から裸リボン様のリボンをプレゼントを送られたことから、プレゼントを渡されたユウキは微妙な顔をしていた。
「・・・これ・・・なに?」
明らかに下ネタじゃないかと警戒しているユウキに俺は笑顔で告げてやった。
「プ・レ・ゼ・ン・ト」
そう告げた瞬間ユウキは俺の渡したプレゼントをゴミでもつまむかのように指先で持っていた・・・流石に少し傷つくな。
俺があの時買ったプレゼントを渡していることに気付いたモモがこっちにやってきた。
「大丈夫だよユウね~さん、このプレゼントはシンに~さんがモモが紹介した店で買ったものだから」
「・・・そうなの」
「うん、シンに~さんがお店に入った時の様子は、迷子になった子供みたいにキョロキョロしていて可愛かったよ」
「いや、しょうがないだろう。あんな、ファンシーな店に入ることになるなんて思わなかったんだから」
俺がモモに慌てて言い訳をしている様子が面白かったのか、ユウキがクスクス笑いながらプレゼントを開けてもいいのか聞いてきた。
「これは・・・帽子」
ユウキは箱の中から出した帽子を眺めた後、それを被って見せて俺たちに感想を聞いてきた。
「どう・・・かな・・・」
「うん、似合うよユウね~さん」
「ああ、よく似合っているぞ」
「・・・二人とも、ありがとう」
その時見せてくれたユウキの笑顔は、晴れ晴れとした太陽のような笑顔だった。
「・・・ところでシンヤ」
「ん?」
「なんでシンヤはボクにプレゼントをしようとしたの」
「・・・特に理由はないが、あえて言うならリボンネタを考え付いた時面白そうだったから渡そうと思った」
「・・・つまりこの帽子は・・・下ネタの詫び」
「うん」
・
・(とある提示版の一幕)
・
287・ディアス
しかし、あのシンヤっていうプレイヤーの姿はやばかったな~
288・コスタ
だな、何か良くない呪われた力に手を出して、それに体を乗っ取られてかけているかのような姿だったな。
289・エスター
しかも、すぐに可愛い美少女が「やめて! 彼は敵じゃないの!」っと言いながら飛び出してきたときは、イベント来たーとか思ってしまったぞ・・・名前みたらユウキって名のプレイヤーだってわかったけど。
290・フレッド
ってか、そのプレイヤーはなんでそんな姿になったんだ?
291・ネロ
聞いた話によりますと、マジックアイテムの鬼人の篭手・戦闘で服がボロボロ・元から悪い人相・以上が重なってあのように見えたそうです。
292・ディアス
元から悪い人相ってwwwww
293・エスター
そう言えば、アイツ初めてギルドに入った時も、周囲のプレイヤーを威圧していたな・・・すぐにユウキちゃんが飛び出して場を収めていたけど・・・ところでアイツらってデキてるの? 俺ユウキちゃんかなり好みなんだけど。
294・ネロ
デキてるかどうかは知りませんが、普段は二人で固定パーティーを組んでいるみたいです。
295・エスター
ちくしょう! 美少女と二人だけのパーティーなんて、普段から男だけと組んでいる俺に対する当てつけか! ・・・土下座したら変わってくれないかな。
291・フレッド
いや、無理だろう・・・




