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第十七話





 今日、ボクは久しぶりに一人で出歩いていた。昨日の夜、シンヤにあんな姿(裸リボン)を見られてしまって。とてもじゃないが顔を合わせることができない。


 なぜ、あんな恰好をしてしまったんだろうか。ただ、シンヤが裸リボン用のリボンをどこからか入手してきて、誰にも見せないなら、一度くらいつけてもいいかな~なんて思ってしまって。つい、魔がさした・・・っていうか、なんで昨日にかぎってあんな絶妙なタイミングでボクの部屋に来たんだよ・・・部屋に何か仕込まれていないよね。


 ボクがシンヤに対する不満をグチグチ言いながら道を歩いていると、モモちゃんが声をかけてきた。


「お~い、ユウね~さん・・・あれ? 今日は一人なんですか? いつもはシンに~さんといるのに」


「うん、色々あって、今日は一人なんだ」


 ボクが珍しく一人で出歩いているのに疑問に思ったのか、首をかしげながら聞いてきたモモちゃんの可愛らしい仕草にボクの荒んだ心が癒された気がした。


(やっぱり、モモちゃんはかわいいな~、フリフリの服を着ている姿を見ているとお人形さんみたいに見える・・・そうだ、シンヤに貰ったあの忌まわしいリボンを切り刻んで何か作ってプレゼントしよう。あんな下ネタに利用されるより生まれ変わってモモちゃんみたいな可愛い女の子に着飾ってもらったほうがあのリボンにとっても本望だろう)


 ボクがリボンの利用方法を考えていると、モモちゃんがクスクス笑いながら聞いてきた。


「おっかしいな~~、むしろシンに~さんに特別なプレゼントをもらって、イチャイチャしながら歩いていると思ったんだけど」


「・・・特別なプレゼントって?」


「モモが用意した、裸リボン用の特注リボン・・・ふにゃ」


 ・・・そうだった、モモちゃんは下ネタが大好きな女の子だった。


 ボクはモモちゃんの柔らかいほっぺたをムニムニしつつ、この子にどうお仕置きしようか考えた。


 っていうかシンヤの奴、モモちゃんのところでリボンを買ったんだ。用途まで知っているってことはそこまで話したんだなシンヤ・・・小学生になに語ってんだよ! まったく、なんでそんなところで息を合わせるのかな・・・この二人は!


「ほへ~ふん、ふぁふぇふぇ~(おね~さん、やめて~)」


 どうやら、すこしほっぺたをムニムニし過ぎたようで、モモちゃんが涙目になってきた・・・お仕置きはこれでいいかな。


「うう、痛いよユウね~さん」


「変なことに協力した罰です。モモちゃんもシンヤが言うことになんでも協力したらダメだよ」


「けど、嬉しくなかったの、プレゼント」


「プレゼントは嬉しかったけど、中身が下ネタ用の小道具だとがっかり感がすごいよ」


 モモちゃんと話していると、後ろから声がかけられた。


「あの! ユウキさん」


「え? 確かネロ君だったね。こんにちは、どうかしたの?」


「今日は一人なんですか?」


「うん、ちょっと色々あって今日は一人だけど」


 裸リボン姿を見られて恥ずかしくシンヤと顔を合わせられなかっただけだけど。


「もし、良かったら俺と一緒に依頼を受けませんか」



 ボクはネロ君と共にオーガを討伐する依頼を受けた。思えばシンヤ意外と冒険に出かけるのは新鮮な気持ちだ。


 オーガは鬼のような外見で高い物理攻撃力と防御力を持っているが、ボクは魔術を使って攻撃できるし大丈夫だろう。ネロ君の足を引っ張らないように頑張らないと。


「オレはオーガとは何回か戦ったことがありますが、ユウキさんはオーガと戦ったことはあるのですか?」


「ボクはまだ戦ったことはないかな」


「なら、防御よりも回避を優先して戦ってください。オーガの攻撃は基本的に大振りなので、よく見ていれば躱せるはずです。アイツらは硬いので時間はかかりますが攻撃に当たるとかなり危険なので」


「うん、わかったよ」


 ただ、シンヤならたとえオーガの硬い皮膚だろうが容赦なく両断していきそうだな~。


 それに、ネロ君も初めて組む相手だからなのか、なんかガチガチに緊張しているようで、もう少し肩の力を抜いたほうがいいんじゃないかな~っと思うんだけど。


・(ネロside)


 オレはようやくユウキさんに声をかけることができた。初めてギルドで会った時は目つきの悪い奴が周囲を睨みつけていたのを、臆せずに注意してやめさせてくれ、俺に微笑みかけてくれた光景は忘れることができない。


 あの後、一緒に冒険に誘おうとしたが、どうやら先に登録が終わったようで、ギルド内に姿が見えなかった。


 その後も、街でちらほら見かけることがあったが、必ずその近くにあの時の奴がいて、声をかけることができなかった・・・あの野郎、何を思ってユウキさんに引っ付いているのか分からないが、いつか追い払ってやる。


 ユウキさんと楽しく話していると、どうやらオーガの出る所に着いたようだ。俺たちの前に二体のオーガが現れてこちらに襲いかかってきた。


「ユウキさん、片方お願いします。俺が片方を倒すまで時間を稼いでくれたらいいです」


 よし! いいところを見せるぞ! オーガ自体は一人でも倒したことがあるから大丈夫なはずだ。


「任せて! 《サンダーボルト》」


 ユウキさんが雷撃を放ち、剣に素早くルーンを刻んでいった。


「《サンダーブレイド》」


 ユウキさんの剣に雷が纏い、ユウキさんは素早くオーガの距離を詰め剣で切り刻み始めた。剣で斬られると同時に電撃で体を焼かれ、オーガが苦しまぎれに手に持った棍棒を振るうが、ユウキさんは軽やかに回避し、オーガが纏っているオーラの薄い部分を的確に見切り、正確に攻撃を加えていった。


「《ライトニングピアス》」


 閃光の如き突きが、オーガの貫きその命を奪っていった。その光を纏い、蝶のように舞、蜂のように刺す姿はまさしく戦乙女の様に神々しかった。


 気付けば、一分も立たずに一体のオーガがユウキさん一人の手で倒れていた・・・ユウキさんって物凄く強かったんだな。


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