外の村の、どうしようもない事情
※ 外の村 ※
英雄子孫「んし。じゃ、俺出掛けてくるわ」
外の村長「ん?なぜだ?」
英雄子孫「…いや、これから起こる騒動が、俺らの仕業だとわかってもらわにゃならんだろ?」
外の村長「…それが?」
英雄子孫「魔界の奴らなら、一目で俺がこの村の人間だってわかるだろ?」
外の村長「……それは…、自惚れすぎではないか?」
英雄子孫「…なんか、アンタに言われると、正論なのにムカつくわ」
外の村長「……いや、だってな?」
外の村娘「なんのために、あたしがあんな下っ端ごときとの連絡役をしてたと思うのよ!?腹立つけど、 いざとなったら逢い引き中だってごまかすためでしょうが!警戒されたらまずいって言ったの あんたでしょ!?」
英雄子孫「…え、思考というものに喧嘩売ってるおまえらがまともに反論してる!?…なにがあった?」
外の村長「……おまえな…」
外の村娘「随分と手の込んだ馬鹿にし方ね?」
英雄子孫「まぁな~?おまえらが他人の粗探しのときだけ生き生きすんのは知ってるし」
外の村長「……」
外の村娘「なにが悪いの?」
英雄子孫「…いやもういいけどよ。あと、村長」
外の村長「…なんだ?」
英雄子孫「前にさ、三味線、だっけ、作りたいっつってたろ」
外の村長「ああ。……言ったか?」
英雄子孫「……」
外の村娘「…言ったわよ、父さん…」
英雄子孫「なんなら、猫とってきてやろうか?」
外の村長「なにっ!トラ猫をかっ!?」
英雄子孫「いや、トラ猫がいるかどうかわかんねぇけど」
外の村長「かまわん!一矢報いることができるなら…!」
英雄子孫「うぉ…っ。おお、分かった…から、落ち着け?」
外の村長「う、すまん」
英雄子孫「村長、猫になんの恨みがあるんだよ…」
外の村娘「…父様、猫アレルギーなのよ…」
英雄子孫「…は?」
外の村娘「魔王からの貢ぎ物がくる度にね、蕁麻疹と涙と鼻水ですごい顔に…」
英雄子孫「あ…、そ」
外の村長「猫はすべて滅ぼす…!」
英雄子孫「…やる気なくなるなー?」
外の村娘「やめるの?」
英雄子孫「やめないけど」
外の村長「頼んだぞ…!」
英雄子孫「いや、俺が実行するわけじゃ無いんだが…」
外の村長「た・の・ん・だ・ぞ…!?」
英雄子孫「わっ、わかった!」
外の村娘「…頑張れー?」