分かれ道にて
※ 魔界 通称・運命の分かれ道(外の村と中の村の分岐点) ※
外の村人「いた!ニュースだ、ニュース!」
外の村娘「五月蝿いわね!誰かに見られたらどうすんのよ、このバカ!」
外の村人「それどころじゃないんですって、お嬢さん!」
外の村娘「あぁもぅわかったから静かにしてちょうだい!」
外の村人「…あ、はい」
外の村娘「……急に大人しくならないでくれる?」
外の村人「いえ、お嬢さんに窘められた自分にショックを受けて、我に返っただけです」
外の村娘「ふふん。なんだそうだったの。せいぜい感謝なさいな!」
外の村人(…あ、よかった。馬鹿にしたの気付いてないや)
外の村娘「で、なにがニュースなのよ」
外の村人「あ、そうでした。お嬢さん、一週間後、裏切り者たちの村で結婚式があるんですけど…」
外の村娘「…へぇ?人間同士よね?」
外の村人「いや、奥さん美人で若い魔族ですけど」
外の村娘「…どこまで堕ちれば気が済むってのよ、あいつら。気色悪い…!」
外の村人「…で、それに勇者様もくるらしいんですよ」
外の村娘「…勇者様が?」
外の村人「魔王たちに囲まれてるんで、断りようがなかったんじゃないですかね?」
外の村娘「おかわいそうに…。それは、勇者様をお助けしなければならないわよね?」
外の村人「とりあえず、村長の指示を仰いでください」
外の村娘「わかったわ。伝えてあげる」
外の村人「…そういや、お嬢さん、人形出てきましたか?」
外の村娘「ああ。見つかったわよ。うー気持ち悪い…」
外の村人「お嬢さん?大丈夫ですか?」
外の村娘「思い出させんじゃないわよ…!あ~も~…」
外の村人「…うわ、まさかとは思ったけど、やっぱりですか」
外の村娘「そうよー…」
外の村人「うわぁ、…悲惨ですね」
外の村娘「なのに、あいつ平気であれ掴むのよ?信じらんない~」
外の村人「まぁ、流石は英雄の子孫というか…。そんな気はしてましたけど…」
外の村娘「ないわー」
外の村人「まぁ、ないですね」
外の村娘「あ、そだ。あいつから伝言。裏切り者の誰かの弱み、持ってこいって」
外の村人「え。難易度高い…」
外の村娘「じゃ、明日も同じ時間にここでね」
外の村人「スルーしないでくださいって、ねぇ!?」
外の村娘「バイバーイ♪」
外の村人「無茶振り反対ー!」