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ギャルゲーのモブに転生したけどまだ発売されてないR-18バージョンだった  作者: 猫野 ジム


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第28話 胸の大きい子が好きなんですね?

「ほら、分かったらさっさとどけよ」


 江並が文月さんを見下ろし言葉をぶつけた。ただでさえよく知らない、しかもフッた男子に見下ろされると怖いだろうに。

 あからさまな敵意を向けられている文月さんの心境を思うと、いたたまれない。


「分かりました、ごめんなさい……」


 文月さんはそう言うと立ち上がり、下を向いて俺も江並も見ることなく駆け足で教室を出て行った。その代わりに江並が席へと座る。


「おい、さすがに今のは酷いだろ」


「俺が知るかよ。お前はあの女の味方をするのか?」


「ああ、友達だからな。学食のことはもう忘れてくれ。お前の言う通り学食くらい一人で行けって話だよな」


 俺はそう言い残し教室を出た。今ならまだ文月さんに追いつけるはずだ。


 廊下に出ると意外と多くの生徒の姿があった。窓の外を眺めていたり、雑談をしていたり、あるいは普通に歩いていたり。

 そんな中で遠ざかる銀髪少女の姿を見つけた。どうやらまだ十分に追いつけるようだ。


 俺は少しだけ駆け足で文月さんに近づいていく。そしてようやく手が届く距離になったので声をかけた。


「文月さん待って!」


 俺の言葉に文月さんが足を止めてくるっと振り返る。


「階堂さん、もしかして追いかけて来てくれたんですか?」


「そうだよ。さすがにさっきの江並は酷いと思ったから。それにあいつの席に座るよう言ったのは俺だし、そもそも教室じゃなく別の場所で話せばよかったのに、それをしなかった俺の責任だ。だから文月さん、どうか落ち込まないで。どんな話にだって付き合うからさ」


 俺と話すことで少しでも元気になってくれるのなら、エロ小説の話だっていくらでもしようじゃないか。


 するとその言葉を聞いた文月さんは少し息を吸い込み、口を開く。


「ダッッサ! なんですかさっきの人は! あんなの完全に逆恨みじゃないですか。ダサすぎ。私は誠実にお断りしたはずなのに」


(んん……?)


 てっきり泣きそうになってるのかと思いきや、これは喜怒哀楽で言うと完全に『怒』ですね。まさかのダメージゼロ! 俺いらねえじゃん。


 それにしても江並の奴、文月さんに逆恨みして暴言吐いたけど全然効いてないって、何やってんだあいつは。


「文月さん……?」


「あ、すみません。つい取り乱してしまいました」


「とりあえず場所を変えようか」


 そして結局は文月さんと一緒に学食に行くことになった。だけど二人とも食事は済ませているので、飲み物だけを買って小さなテーブル席で対面することに。


「はい文月さん。これはお詫びってことで」


「いいんですか? 階堂さんが謝ることではないと思いますよ」


「それについてはさっき言った通りだから気にしないで」


「分かりました、素直にいただきます。ありがとうございます」


「それともう一つ、謝らないといけないことがあるんだ」


「私にですか?」


「うん。前に文月さんがアプローチを受けてるって教えてくれたことがあったと思うんだけど、実はその前に江並からも同じような話を聞いていたんだよ」


「そうなんですか? だとしてもそれが私だってよく分かりましたね」


「ハッキリと名前を聞いたわけじゃなかったけど、あいつから特徴を聞いてもしかしてって思ったんだ」


「それって私の特徴ってことですよね? よければ教えてもらっていいですか?」


 えっと、江並はあの時なんて言ってたっけ? 確か『一年・可愛い・美少女・巨乳』だったな。……ダメだ、ラインナップが役立たず過ぎる。


 唯一使えそうなのは『巨乳』だが、巨乳で文月さんだと分かったなんて言ったら、さすがにそれはドン引きされかねない。せめて『銀髪』があれば……!


「階堂さん、なんだか困ってませんか? 気をつかわなくて大丈夫ですよ。どうせ胸が大きいとかそんなことでしょ? あの人が言いそうなことですね。二人で出かけた時、実際に私の胸ばかり見てましたから」


「確かにそれも言ってたけど。……まぁとにかくそんなわけで、江並と文月さんが顔を合わせたら気まずいだろうなって思ってたんだよ」


「なるほどー、だからあの人が教室に入りそうって気がついて、いきなり走っていったんですね。私から遠ざけるために」


「そうだね。だからああなったのは黙ってた俺のせいなんだよ」


「いえいえ、そんなことないですよ。『俺は君がフッた相手の友達なんだ』なんて普通は言うわけないですから。むしろ言われるとキモって思いますよ。それに階堂さんは今もこうして私のために動いてくれたじゃないですか。私はその気持ちが嬉しいんです」


 そう言った文月さんはフフッと微笑んだ。たまにそういう顔をするからどこか憎めない。


「それと階堂さん、さっきの話、私本気にしてますからね」


「さっきの話?」


「もう忘れたんですか? どんな話にだって付き合うって言ってくれましたよ」


「あれは文月さんがショックを受けてるだろうなと思ったから」


「いいえ、ダメです。では今から始めましょう、階堂さん、胸の大きい子が好きなんですね?」


「半分決めつけてるじゃないか」

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