光水
掲載日:2025/04/06
【短歌九首】
温かい雨に濡れ安らぐように喜び鳴く鳥達にほぐれ
襟元をただして飛ぶ燕尾服のひとが飛びたてる空に仕立て
雑居ビル給水管の上で鳴く鳥のここは森であるように
様々な花を包みし雨あがりお日様がつくる春の香水
桜がね、はにかむように笑うから私もクスクス笑っていたよ
「泣いたことある?」と聞く少年が
「僕はあるんだ」と屈託のない春休み
朝市の天ぷら屋さんのお弁当はヤンヤンさんから買いたくて
きつ過ぎる香水を薄めたいと時雨にきみは傘をささずに
雨あがりの玄関先に傘を干すあなたの背中が好きでした




