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プロローグ
努力、実力、才能。
わたし、演技にはこの3つが大切だと思うの
小さい頃から役者を目指してきてやっとわかった。
わたしには、
実力も才能も
何一つ持ち合わせていない
『優等生』
なんだって。
『優等生』とは、わたしの解釈では『無駄に頑張った凡人』
『優等生』は、どれだけ努力しても、命をかけたとしても、決して『天才』にはなれない。
『天才』には勝てない。
『天才』には追いつけない。
『優等生』には誰かを支配する……それどころか、誰かを惹きつけるような演技はこの先、一生できることはない。
なぜなら『優等生』はどこまで行っても『凡人』の延長でしかないから。
だから―――、だから、わたしは誰よりも努力して、磨いていく。
『優等生』でもきっと、報われるから。
例え実力がなくても、才能がなくても、いつか―――、いつか―――
『優等生』を辞めれることを信じて。