変わり者同士という意味では、私たちはお揃いね
散々クリオをお人好しすぎて狂人レベルだとか、傲慢だとか、ナルシストだとか思っていた私だけど。
私もアルビノで、虐待を受けた忌み子で、冷めた子供で、そしてピエタ曰く天才的な理解力と記憶力があるとのこと。
変わり者同士という意味では、私たちはお揃いね。
「フォル、どうしたの?」
「クリオに言いたいことがあって」
「うん、なんだい?」
時間をかけて、クリオのことを…クリオの情を受け入れられるようになった。
それは本当に時間が解決してくれたというほかなく、それまでの間に屋敷内にあった魔術書を全部読破してそこから得た魔術を全て使えるようになってしまった。
けれどピエタに勉強を勧められた日から、あまり日は経っていない。
だから、私は私の特異性を理解できた。
だからクリオを受け入れられた。
「クリオが本当に、善意で私を助けてくれたことがわかったわ。だから、ありがとう」
「そんな、気にしなくていいのに」
「いいえ、これはけじめよ。貴方の優しさを受け入れるけじめ」
私の言葉にクリオはきょとんとする。
そして微笑んだ。
「受け入れてもらえて嬉しいよ」
この日から私たちの距離は少し近づいた。
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