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侍女からみた二人
まさかの展開が起きた。
お嬢様がご主人様の婚約者になった。
ただ、それはなかなか結婚しないご主人様を心配していた私たち使用人にとっては朗報だった。
さらに相手がお嬢様であれば、優秀で可愛らしい方だから…ちょっとだけアルビノだということで他の貴族からいじめられないかだけ心配だけれど、それ以外は安心だ。
「だから屋敷のみんなで祝福したのだけど…」
まさかご主人様がお嬢様にあんなにも執着しているとは。
ヤキモチ焼きになって、器の小ささを見せたご主人様に驚いた。
けれどそれは同時に、お嬢様への愛情の深さをも感じる。
「お嬢様も幸せそうだし」
最近のお二人は本当に幸せそうだ。
ならば全力でそんなお二人を支えるのみ。
私は今日も侍女としての仕事にせいを出す。
そうしている間に、お二人は今日もいちゃついている。




