フォルの戸籍を作る
フォルの戸籍を作るのに一番手っ取り早いのは、フォルの親を探し出して魔術でフォルとの血縁を証明すること。
フォルの親がこの国の国民であれば、それで戸籍は簡単ではないが作ることはできる。
オレはフォルの親を探すよう私立探偵に頼んだ。
どんなに隠していたって、そんなことは…アルビノの少女を生みながら戸籍も作らず外にも出さなかったなんて悪行は、案外すんなりとバレるもの。
フォルの父親が酒場でひっそりとそんなことを言ってしまっていたとかで、時間は少しだけかかったが見つかった。
「いやぁ、自分の娘を虐待しながら要らなくなったら捨てるとか酷いよねぇ」
「こ、公爵様…どうかお許しください…」
「それはこれからのお前たち次第だよ」
「なんでもします!」
なんでもするなんて、本来ならあまり口走らない方がいいと思う。
けれど今回については都合がいい。
「なんでもする?それなら、フォルの髪がここにあるから魔術で親子関係を証明してよ。そしてフォルの戸籍を作って」
「え…」
「それとも子を屋敷の前に捨てられて、君たちをわざわざ探す手間をかけさせられたオレに逆らうかい?」
「いえ、滅相もない!」
彼は魔術でフォルとの親子関係を証明して、無事親子であるとの結果が出た書類を持ってフォルの戸籍を作った。
時間はかかったが書類は通り、フォルは戸籍を得た。
「公爵様、あの子の戸籍ができました…」
「ご苦労様。じゃあこれね」
そこでオレはフォルの親に金貨のたんまりと入った袋を渡す。
「これは…!?」
「あの子との手切れ金だよ。君たちはこれからフォルに一切関わらないで」
「は、はい!」
嬉しそうに笑う彼らに反吐が出るが、フォルと結婚するときに足枷になられるよりマシだ。
今後一切フォルに関わらないと念書を書かせてさようならをした。
そして事前に話をしてあった遠縁の親戚に、フォルを即座に養子にしてもらいフォルを伯爵家のお嬢様にした。
もちろん書類上そうしただけで、フォルの保護者は変わらずオレだが。
そしてフォルとの婚約を届け出て、フォルと婚約を正式に結んだ。
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