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まるで自分のことのように慌てるのね
「ど、どうしよう、こんなに熱いなんて!あのお爺ちゃん先生が来るまで頑張るんだよ!」
「だから、私は大丈夫。回復魔術で応急処置もしてるし」
「フォルが回復魔術を使ってそれなの!?」
墓穴を掘った。
余計に心配させてしまう。
けれどちょっと嬉しくなってしまった。
クリオったら、まるで自分のことのように慌てるのね。
「ふふ、たしかに回復魔術を使ってもこのしんどさは異常だけれど…クリオさえいてくれれば大丈夫」
「フォル!」
私にしては珍しく、微笑んでみせてあげたのだけど。
それを見てクリオは何故か泣く。
いや、別に今際の際とかではないのよ?




