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ちょっと歪んだ性格の公爵様が子供を拾った結果  作者: 下菊みこと


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お茶の時間

「ねえ、フォル。オレ、フォルとお昼寝したら本当にすごく楽になってさ。執務もいつもより効率よく終わったんだ」


「それは良かったわ」


「それでさ、元々誘おうとは思っていたんだけど、今日から一緒に三時のお茶の時間を過ごさない?」


元々誘おうと思っていたとはどういうことだろう。


でも、誘ってくれるのは正直有り難い。


暇だし、クリオと過ごせるのは嬉しいから。


「もちろんよ」


「良かった」


クリオと手を繋いで、中庭に向かう。


使用人たちがお茶の準備をしてくれて、二人で優雅にティータイム。


「美味しいねぇ、フォル」


「そうね。すごく満たされる時間だわ」


クリオといるからね。


なんて、口にはしないけれど。


「こうして休息を取るのも、たまにはいいものだね。フォルと過ごせるし」


「そうね」


今日もたくさん本を読んでしまったから、いずれ読める本も無くなってしまう。


そうしたらそうしたでまたクリオは私のために色々な本を買い与えるだろうけれど、それよりこうして二人で過ごせる時間を作ってくれる方が暇つぶしにも最適。


クリオも私と過ごせる時間を楽しんでくれているのなら、なおさら。


「フォルとこうしてお茶をしていると、本当にフォルはすごく所作が綺麗だと再認識するよ」


「そうかしら」


「うん、一つ一つの動作が綺麗だ」


そんなつもりはないのだけど、クリオにはそう見えるらしい。


ただまあ、別にそう思われても嫌ではないのでいいのだけど。


「あの侍女に礼儀作法やマナーを習ったと聞いたけど、元々結構綺麗な食べ方だったよね」


「そうね。綺麗にしないと怒られちゃうもの」


「ここではそんなこと気にしなくてもいいよ?」


「最早綺麗に動こうとするのは癖だから気にしないで。それにもうここでは怒られちゃうなんて思いもしないわ。昔の話よ」


そう、昔の話。


昔の話に、クリオがしてくれた。


ここではもう、なんの心配もいらないって思わせてくれた。


「クリオ、ありがとう」


「え?」


「言いたくなっただけよ」


「そう?…ふふ。こちらこそありがとうね、フォル。フォルといると、なんだか良いことばかりだ」


「それは良かったわ」


これからも貴方にそう思ってもらえるよう、私は出来る限り頑張るわ。

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