へえ、オレのメリットを聞きたいの?
「だって、メリットもないのに私を拾うなんて馬鹿げているわ」
「そうは言われてもなぁ。メリットなんて一つもないよ」
「アルビノは売れば高く付くのではないの?」
「そうだね。けれどオレは君を売る気はないよ」
メリットなんて、本当に一つもない。
ただ可哀想な君を助けてあげたいだけだ。
「…よくわからないわ。なら何故拾ったの」
「君を助けてあげたかったから」
「そう、貴方って傲慢なのね」
「そうだろうね」
頷けば驚いた顔をする。
怒られると思っていたから、思わぬ反応だったかな。
「オレはたくさんのモノを持っている。地位、権力、お金、才能、そして人脈。特に人脈には自信がある。優れた使用人、慕ってくれる平民たち、助けた結果忠誠を尽くしてくれる元棄民たち、よく取引する信用のできる商人や腕のいい医者。オレをよく思わない貴族もいるが、尊敬して慕ってくれているらしい貴族もいる。これで傲慢にならないわけがない」
「…すごいわ、貴方ナルシストなのね」
「ここまで恵まれていて自信家にならない理由があるかい?」
「たしかにないわね」
納得した顔をみて満足する。
「それだから、恵まれたオレは恵まれない人たちが可哀想で仕方がないんだ。オレはみんなを助けてあげたい。この世の中には可哀想な人たちで溢れている。だからできる限りのことをしたい」
「だからお人好しの公爵様として有名なのね」
「ふふ、そうだね」
「変わってるわ」
「よく言われるよ」
なぜか呆れた目を向けられるけれど、本当のことを言っただけなんだけどなぁ?