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執事からみたお嬢様の価値
ピエタから相談を受けた。
お嬢様の才能をこのまま眠らせていいのかと。
もっとたくさんの知識を授けてくれるような人を家庭教師として雇ったほうがいいのではないかと。
とりあえずその場では明確な返事をせず、必要ならば当主様に進言しておくと言った。
そして今、一人部屋で考えている。
「お嬢様は養子にしたわけではなく、今後もその予定ではない。それを考えれば家庭教師をつけるのはどうかとも思う…」
だが、お嬢様の才能は本物だ。
お嬢様にはそれをするだけの価値がある。
「養子にすることはないとしても、我が家の専属魔術師として将来雇うというのもアリだ。お嬢様にはその時のため知識を培っていただくのも一つの手」
魔術を教える家庭教師を雇うよう、当主様に進言してみようか。
私は明日、さっそく当主様にお話することに決めた。




