呪い返しは効果抜群だったみたいね
クリオが国王陛下に呼び出された。
と思ったら勲章を授与されて帰ってきた。
「とりあえず、おめでとう」
「ありがとう。でも本当はフォルのお手柄なんだけどね」
「どういうこと?」
クリオが私に説明する。
私を買おうとしていた魔術師が、国家転覆を目論む大罪人だったこと。
私を贄に王族を全員呪い殺そうとしていたこと。
私が呪い返しをしたことで魔術師は死に、仲間も続々とテロリストとして捕まったこと。
そしてついでに、魔術師の最期は悲惨だったらしいということも。
「呪い返しは効果抜群だったみたいね」
「うん。オレを守ってくれていたんだね、ありがとう」
「このくらいクリオのためならお安い御用よ。クリオは私の恩人だもの」
私がそう言えば、クリオが私の頭を優しく撫でる。
「本当に助かったよ、それに国王陛下もフォルに感謝していたよ。お礼言っておいてだって」
「お礼なんていいのに。たまたまだわ」
「そうだね。でもみんな助かってよかったよかった。フォルの大手柄だね」
クリオが優しく私を抱き上げる。
私十二歳なんだけど、腕力どうなってるの?
「重くない?」
「全然?」
「そう、ならいいけど」
その後はまるで猫を扱うように甘やかしてくるクリオに、そのまま甘やかされた。




