え、反王家の組織を壊滅させた?オレが?
国王陛下にある日急に呼び出されて、至急王城に向かった。
謁見の間に通されて、国王陛下に御目通りする。
「王国の若き獅子にご挨拶申し上げます」
「えー、余にそんな態度とっちゃう?そなたは余の友達なのに?」
「国王陛下は相変わらずだなぁ、もう」
オレと似た感じで、若くして両親を亡くし王位を継承した国王陛下。
オレのことを一方的に友達認定してくる人だが、それが心地いいと感じる不思議な人。
「ところでさぁ、そなた多分知らんうちにだろうけど大手柄よ?」
「え?」
「そなたのところに、魔術師きたろ?」
「来たけど」
「そいつ、国家転覆を目論む大悪人だったの」
国王陛下によると、国一番の魔術師の変死事件が起こった。
その魔術師の遺体のそばにあった日記には、魔術師の悪行の数々が記されていた。
魔術師は国家転覆を目論むテロリストであったらしい。
だが、テロは未然に防がれた。おれがフォルを売らなかったから。
そして魔術師はおれを呪ったらしいが、おそらく呪い返しに遭ったらしい。だからお手柄だそう。
「そなたやるじゃーん!一体どんな凄腕の呪術師に警護してもらったのー?」
「いや、魔術師にも呪術師にも何も依頼してない」
「え?マジ?」
「…多分おそらく、フォルがやったんだと思う。その魔術師に売ってって言われたアルビノの女の子」
おれは国王陛下に、フォルを拾った経緯やフォルが色々な意味で天才と言える少女であることを話した。
「へー、アルビノの少女はそんなに素晴らしいこなんだ。余、びっくり!」
「フォルは本当にすごい子だね、まさかこんなことになるとは思わなかった」
「余もびっくりびっくり。アルビノの少女…フォルちゃんがそなたに拾われて本当によかったー。余、命拾い」
大袈裟な動作で心底ホッとしたとアピールする国王陛下。
「まあともかく、国王陛下もオレも無事で何よりだよ」
「本当にねー。フォルちゃんにお礼言っておいてー」
「わかったよ」
「とりあえずそなたには今から勲章を授与するから」
「え」
ほら早く早く、と急かされて他の貴族がすでに集まっていた部屋に通されて勲章を授与された。
そういうことは先に言っておいて欲しい。
一応国王陛下に御目通りってことでカチッとした服を着てきてよかった。
そしてオレは勲章を授与された。
なんだかオレの功績じゃないのに、注目されちゃったなぁ。




