この子を金で売れ?最高に地雷だなぁ
フォルを花畑に連れて行ってから数日後、思わぬ来客があった。
「ご機嫌よう、公爵閣下」
「ご機嫌よう、魔術師殿。国一番と謳われる魔術師殿がオレに何の用かな」
国一番の凄腕と呼ばれる魔術師が、オレにアポイントメントを取ってきた。
とりあえず会ってみることにしたが、何の用だろうか。
「公爵閣下は今、アルビノの少女を飼っていらっしゃいますよね?」
「そうだね」
「私にお譲りいただけませんか」
彼はオレに大金を差し出した。
「これで十分足りると思うのですが」
「…このお金は受け取らないよ。ヴィゴーレ、お客様のおかえりだ」
ヴィゴーレに彼を追い出させる。
彼は言った。
「飼っているうちに情でも湧きましたか?アルビノなど、魔術師に売る以外に価値はないでしょう。そのために飼っているのではないのですか?」
「違うよ、オレはあの子を助けるために手を差し伸べたんだ」
彼は少し驚いたように目を見開いたが、すぐに調子を取り戻した。
「…なるほど。さすがはお人好しだなどと言われるだけある。では、また来ます」
「もう来なくていいよ」
「次に来る時には、気が変わっていることを期待します」
彼が帰ったあと、玄関に塩をまいた。




