表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちょっと歪んだ性格の公爵様が子供を拾った結果  作者: 下菊みこと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/58

執事からみた主人

私はアッフェット家に仕える執事、ヴィゴーレ。


今は当主たるクリオシタ・ソッリーソ・アッフェット様にお仕えしている。


我が主人は、少々変わっている。


二十二歳の若さで両親を失ったというのに泣くことすらなく、爵位を継ぐと圧倒的な手腕で領内を発展させてその名を轟かせた。


さらに、自由になるお金を領内外問わず貧民救済のために使い信奉者を生み出して人脈を広げる徹底ぶり。変わってはいるが、素晴らしい主人だ。


「しかしその優しさは本物。たとえ認知が歪んでいたとしても」


ひとりごちる。


そう、我が主人は認知が少し歪んでいた。


自分が恵まれた立場なのは理解しているが、自分以外の人間は可哀想なものだと考えていた。


だから助けてあげたいのだと主人は言う。


そして、自分のできる範囲ではあるが誰にでも手を差し伸べていた。


「そんな主人が、まさかひとりのお嬢さんを特別扱いするとは」


齢十二歳の、幼いアルビノの少女。


専属侍女曰く天才である美しい少女を、主人は可哀想な子で可愛らしい子だからとなにかと目をかける。


そしてある日、彼女に手を出した辺境伯家の娘を苛烈なまでに追い込んでみせた。


「人並みの執着を知ることができたのは良かったのか、それとも主人にとって悪い影響となるのか…」


ただ、お嬢様自身は冷めた子供だがたしかに美しく才能がある。


礼儀作法やマナーも最初から最低限は出来ていたし、今では主人のお気に入りとして十分なレベル。


だからまあ、もし万が一主人が変な気を起こしても問題はないだろう。


そもそも主人がそんな趣味に走らないことを祈るが、人生どう転ぶかわからない。


「まあ、なるようにしかなるまい」


主人にとってこれが、幸せな変化であることを心から祈る。

高評価、ブックマークなどありがとうございます!とても励みになります!完結まで頑張っていきますので、楽しんでお付き合いいただければ幸いです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ