表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/58

可哀想な子を拾った

自分以外の存在が全て恵まれない可哀想な人に見えてるハイスペックお兄さんと、冷めた目で世界を見てる独特な感性のお嬢さんの恋愛モノを書きたかったんです…というわけで今回もお付き合いよろしくお願いします!

この世の中は不条理で溢れている。


人の命は平等と謳う我が国の国教はその実貴族からの寄付で肥え、飢えた平民や棄民たちを救うことはほとんどない。


貴族はノブレスオブリージュなんて言葉を知らないように、自らの利益ばかりを追求する。


王家は貴族や他国の王族との駆け引きばかりで、下々の者に見向きもしない。


「ああ、なんて可哀想なんだ」


オレのような恵まれた貴族と違い、生まれた時点で貧乏くじ。


とても哀れで、だからオレは貴族としての面子を保つためのお金以外の自分の自由になるお金を領の内外問わず貧民救済に使っている。領外の貧民を救済する時は、その地域の領主に許可をもらうのも忘れない。


オレは一応立場ある公爵様で、使用人たちからも領民たちからも取引のある商人からも評判がいい。


だから表立ってオレの悪口を言う貴族はいないけれど、影では貧民救済なんてバカじゃないかと言われているのは知っている。


だけれど、恵まれた者が持たざる者を助けるのは当たり前のことだろう?


「そう思って、ここまで色々やってきたけれど」


だからと言って、これは予想外。


屋敷の前に、アルビノの子供が捨てられていたと報告があった。


白い髪、白い肌、赤い瞳。


カラフルな髪や目の色の多い我が国でも、アルビノは珍しかったりはする。


だから、保護してあげなければその子がどうなるかなんて分かりきっていた。


「…迎えに行くから、追い払ったりしないでね」


その子を迎えに行く。


本当に見事なアルビノで、さらに顔立ちも整っている。


だけれどその白い肌には沢山の痣があり、髪もボサボサでやせ細っていた。身につける服もボロ切れと言っていい。


彼女は感情のない目をこちらに向けてくるから、優しく手を差し伸べる。


彼女は不思議そうにその手を見つめるので、優しく声を掛けてあげた。


「おいで、今日から君はオレのモノだ」


「…そう、本当に拾ってくれるのね」


「冷めてるなぁ…」


綺麗な声で冷めたことを言うこの子供は、どんな人生を送ってきたのだろう。


養子縁組はしない、貴族籍は与えない。それは安易にしていいことではないから。


だけど、オレのモノとして育てよう。


名目はなんでもいい。奴隷候補でも、侍女候補でも、お嫁さん候補でも。


とにかくこの子供を救うことさえできれば、どうでもよかった。











「…なるほどなぁ。だからそのお嬢さんを引き取ったと」


「そう、さっさと診察してくれる?」


「わかったわかった」


この子をメイドたちにお風呂に入れさせている間に、小さな頃から世話になっているお爺ちゃん先生を呼んだ。


お風呂から上がって、髪を乾かして切りそろえたところでちょうどきてくれた。


この子の服はとりあえずメイドの子供の頃の服を譲ってもらって着せた、あとで買う。


「ふむ、とりあえず痣とボロボロになった身体の中身はワシの回復魔術で治せるな。行くぞ」


お爺ちゃん先生はさらっと彼女の痣と栄養失調でボロボロになった中身を治す。


「胃腸の調子も治してあるから、とりあえず今は飯をたらふく食わせてやれ。それで痩せすぎた身体も戻るじゃろ。感染症とかも治してあるから安心せい。ただ、背中の火傷の跡はちょっとな…ワシでも手に負えんが、塗り薬を処方しよう。貴重な薬だからここまで酷くとも少しずつ綺麗になるはずじゃ」


「ありがとう、これお代ね」


「おーおー、相変わらずすごい額くれるのぉ。いつもなら多すぎると困るところじゃが、今回は薬代が高いからトントンじゃな」


「え、そんな高い薬なの」


「その分よく効くぞー」


お爺ちゃん先生はニコニコ笑うが、この子はにこりともしない。


ただ、何も感じないわけではないらしい。


「ありがとう、お医者様。身体がすごく楽になったわ。本当に感謝しています。お兄さんも」


「このくらいならお安い御用じゃ」


「ほとんど治ってよかったよ」


ポンポンとこの子の頭を撫でてあげれば、一瞬戸惑った表情を浮かべたがすぐに真顔に戻った。


「じゃあ、ワシはこれで帰るからの」


「ありがとう、また頼むよ」


「いい加減引退したいんじゃがなぁ」


ぼやきつつも帰っていくお爺ちゃん先生を見送ってから、この子に声を掛けた。


「じゃあ、次は必要なものを買おうか」


商人にも既に連絡済み。


すぐに来るはずだ。

神の子扱いされている優しい義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました


という連載小説を掲載しております。完結済みです!よろしければご覧ください!


あと


美しき妖獣の花嫁となった


【連載版】侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました


酔って幼馴染とやっちゃいました。すごく気持ち良かったのでそのままなし崩しで付き合います。…ヤンデレ?なにそれ?


という連載も掲載しております!


よろしければお付き合いください!


下のランキングタグにリンク貼ってます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ