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大会

〜学生の大会では15点マッチや21点マッチなど色々ありますが、この話では21点1セットマッチとします。 デュースと言うのは21点とったとしても21-20とかの場合、2点差がつくまで試合続行します〜

春季大会では初めての連続だった。初めての朝5時起床、まだ辺りが薄暗い時間帯に出かけるのも初めて、初めてみる先輩たちのユニフォーム姿、初めての審判。私は鼓動が早くなるのを感じた。

……私も、こんな大きな体育館で試合をしたい……


先輩たちは3回戦で敗退してしまったが玲奈は10位入賞した。

「玲奈すごい。おめでとう」

私は興奮して駆け寄ったが玲奈は

「私、才能ないから」

と言って全く笑おうとしなかった。




1学期の期末テスト終了後、3年生最後の大会、夏の大会の出場メンバーが発表された。春季大会で入賞した玲奈は今回も出場メンバーに選ばれた。矢野先輩は顧問に3年生を優先してもらえるように頼んだが取り合って貰えなかったらしい。


「私たち、なんのために今まで練習してきたの?」

「もう、部活出る意味ないよね。無駄にバドするくらいなら受験勉強してた方が自分のためになる」

大会に出場出来ない3年の先輩はずっと泣いていた。その様子を大会に出場出来る先輩も辛そうな顔で見つめていた。


大会当日、矢野先輩はいつも以上に闘志がみなぎっているように見えた。コートの中をとにかく走り回り、膝を擦りむきながらもシャトルを追いかけている。

「矢野先輩、ファイトです」

「頑張ってください」

自然と応援にも力が入る。今は4回戦でこれに勝てば9位10位決定戦。入賞確実だ。20-19で矢野先輩が1点負けているが次に点を取ればデュースに持ち込める。相手が打ったシャトルがフワッとネット際に上がった。

……チャンスだ……

多分誰もがそう思っただろう。矢野先輩は体を大きく反らして高く飛んだ。一瞬の事なのにとてもスローに見える。その姿はまるで大空に羽ばたく"鳥"そのものだった。矢野先輩の打ったシャトルは鋭い角度で地面に叩きつけられる。審判が両手を広げた。アウトで相手に点が入ったためゲームは終了となった。


大会終了後、3年の先輩の引退挨拶があった。

「3年間、仲間がいたからここまで来れた。練習だってきついし何度も辞めたいって思ったけど皆に支えてもらって続けてこれた。最後の大会は3年から多く出場して、一緒に最後を迎えたかった。今日は大会に出られない子の分も頑張ろう、私が頑張って皆に恩返ししたいと思って大会に臨みました。あと少しで入賞できたのに、1.2年生も応援してくれたのに、若月さんなんか、次の試合に向けて体動かしたいだろうに合間をぬって応援しに来てくれたのに、入賞できなくてごめんなさい。1.2年生には良い形で終われるように頑張って欲しいです」

矢野先輩は大粒の涙を流しながらそう挨拶した。3年の先輩達は矢野先輩に駆け寄って抱き合った。

「矢野っち、部長お疲れ様」

「矢野っち、ありがとう」


……私たちは2年後、先輩達のように涙まで流して抱き合える仲になっているのかな?みんなのおかげって本心から言えるのかな?……


私達はまだ、一人一人別々の方向を向いている。

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