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私のプレースタイル

 無力の私は何も出来なくてもモモが苦悶の表情を見せることは徐々に減っていった。

「バドが大好きって気持ちと同じくらい、バドが怖く感じる。大好きっていう気持ちも恐怖もどっちもあって、ちょっと変だけどどっちも私の感情。ちょっと変でちょっと不完全で……それが私なんだよね」

モモはそう言ってよく微笑む。なんて強い子なんだろう。私は心底そう思った。モモは半年間のブランクを感じさせないくらい、どんどん強くなっていった。


夏の大会は全員出場できるようになった。私はモモに駆け寄って言った。

「モモすごいよ! おめでとう!」

3年の先輩も1年生も驚いた目でモモを見ている。それは憎しみに歪んだ顔もあれば羨望の眼差しもあり、色々だった。後輩達からの羨望の眼差しは大会でより大きくなった。大会本番でのモモは私がずっと見たかったものだった。コートの中で自由に飛び回る鳥。傷ついた鳥が夢に向かって再び飛び立った瞬間だった。自身の形を自由に変えながらシャトルに吸い付くその鳥は私の憧れだった。

……そうだよ、これだよ。私の目標とするものは……

モモは惜しくも3回戦敗退で終わったが玲奈は私達の目標の地への切符を手に入れた。


ラケットが風を切る音、シューズと床が擦れる音、足を踏み込む音、シャトルが床に叩きつけられる音、一つ一つが地区大会とは比べ物にならないくらい大きかった。

……シャトルが見えない……

打ったシャトルが早すぎて私は目が追いつかなかった。こんなんで、なんで打ち返せるの?私はこんなすごいところに行けるのだろうか。なんて馬鹿げた夢を持ってしまったのだろう。

『努力しても夢が叶うとは限らない』

花恋の言った言葉が頭に浮かんだ。けれど仲間がそんな強豪揃いの中、1人で戦っているのを見ていると私もそこに行かなければという使命感に似た感情が生まれてきた。2回戦目で10点以上の差をつけられて敗退した玲奈に私達は駆け寄った。

「次は玲奈をひとりぼっちにはしない。私達も一緒に戦う」


県大会にも私の憧れとするバドをする人がいた。力が強く、ライオンのような派手なプレーが多い中、その人はチーターのように素早くシャトルに食らいつく。他の人と比べてスマッシュが弱い私が目指すべき道は間違いなく後者だ。誰よりも早く動き、相手のいないところにシャトルを打つ。叩き込まれたシャトルを絶対自分のところに落とさせないレシーブ力。

真っ暗な森の中で遠くから一筋の光が見えた気がした。私はその光を信じて進むしかなかった。その光の先に森の出口があると信じて1歩1歩歩き出すのだった。

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