第8話 稼働訓練
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「いいか、佑樹? マナを感じるんだ、自分の身体と思ってゆっくり動かしてみろ? 右、左、右、左!」
ガコン、ガコン、ガコン。
右足、左足と佑樹の専用機となった紅はゆっくりと前進を始める。
ここは、城の格納庫近くにある訓練場と呼ばれる所だ。
やたらと広い分、人が多く集まるのか…こちらへの野次がすさまじい。
「うむ! センスはいいぞ! どうだ? いけそうか?」
「な、なんとか!」
「よし! その調子だ!」
「いいぞ~! 佑樹! その調子だ~がんばるんだぞ~!」
「す、すごいっすね!? もう歩いてるじゃないっすか!」
生身で魔人機の近くをうろうろとする隊長は流石としかいいようがない、俺ならあんな役目はご免こうむりたいくらいだ。
なんせおぼつかない足元にこっちがひやひやする。
「って! あの人が乗ってるのって!? も、も、もしかして!? ファントム!?」
「え? うそでしょ!? ファントム!?」
「ファントムってあの、何人も死人を生んだっていう!?」
「う、うそ!?」
「だ、大丈夫なのかよ!? あんなもんに乗って!?」
ちらほらと話し声が俺の方にも聞こえて来た、なんせコックピットハッチを開けたままの状態でここまで連れて来たんだ。
おまけに今は、まだ起動ができているだけでOSのダウンロードが済んでいない。
「まぁ、今はせいぜい歩けるくらいか」
『なんでも、この機体は他の団員達に見せておいた方が好都合とのことなので――仕方ありませんね。 マスター』」
『OSのダウンロード完了まで、推定時間は残り約20分です』
「おまえら…静かにしとけ。 聞こえたらどうするんだ」
『『ラジャー』』
にしてもコックピット内に偽造ホログラムを施したせいか、やたらとOSのダウンロードに時間を費やしている。
それもそうか…全く同じに見えなきゃら不信感が募るだろうしな。
―――――それから30分程経過した頃だろうか。
ズシン、ズシンと軽やかに訓練所を駆ける紅の姿が目に入った。
「ふぉ~~!! すげぇぜ~! こりゃいい!!」
「よ~し! ないすセンスだ! 佑樹! まだまだいけるぞ! マナ残量は?」
「あと~40%ってところですかね?」
「上出来だ!」
「ひゅ~…流石は盟友だ! 幸先いいんじゃないか?」
「そうっすね! これだけ順調であれば私達も楽が出来そうっす」
更に時間は経過…するといつの間にやら訓練場には人が溢れかえっていた。
十数機以上の魔人機が辺りを駆ける姿や、何やら剣と盾で打ち合いをしている様子等…こりゃ目立って仕方ない。
『マスター。 OSの更新が完了致しました―――いつでもいけます』
「あいよ。 と言っても、こいつを見せるだけでいいなら…このままでもいいんじゃないか?」
『確かに』
このまま何事もなく、静かに済めばいいだろうが…どうにも嫌な予感がする。
何か確証があるわけではない、ただ…俺達を見る目が少し違う連中がちらほらと見える。
頼むから、何事もなく終わってくれよ?
日も落ちてきた頃、人気もすっかりなくなり…大量に居た野次馬達の姿もなくなると同時にタイミングを見計らってか、騎士鎧を身にまとった金髪の男性が何やらアンネリーゼ隊長と会話していた。
「納得できません、アンネリーゼ様。 何故、こやつらのような異世界人を第七小隊へ入隊させたのですか! 実力であれば、我々の方が遥かに勝っております!」
「何度も言わせるな、べイン。 こいつらは私が見込んだ男達だ、そいつを否定すると言う事は…私を否定するという意味でもある? 解っているのか?」
「うっ…で、ですが! 例え魔人機への適正値が高い異世界人ともいえど! すぐに実践レベルまで達するとも限りません! だからこそ、こちら側へ編隊させるべきです!」
「何度も言わせるな、必要はない。 こいつたちはすぐに実戦投入する」
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