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ガラム……絶望

 黒龍に変化したガラムが飛び立ってから二時間。

 彼の視線の先にはロゼの家が見えてきた。


(確かにゴーレムがいるな)


 上空から見えたのは、畑で水やりをしている数匹のゴーレムの姿。

 ガラムはロゼの家の前に降りると巨大な口を開き、叫んだ。


「ロゼ! ゴーレムを部下にして何をするつもりだ! 何もしないのであれば見逃しておいたが――」


 瞬間――絶望。


 ゆっくりと家の扉を開けて出てきたのは、指から指輪を外しながら出てくるクロノスだった。

 漆黒の瞳はガラムの目をしっかりと見つめ、無言でガラムの前で立ち止まった。


(逃げ……いや、逃げられない……あいつは時を止めるんだ……死ぬ……)


 ガラムがとったのは精一杯敵意が無いことを示す事。

 ガラムは黒龍に変化させていた自分の身体を元の姿に戻し、両手を上げた。


「なんっ……でも無い……俺は何もしない」


 クロノスがポケットから煙草を取りだし、火を付けながら言った。

 煙を吐き出しながら怒気を孕んだ声で呻いた。


「……食事をしてたんだよ。楽しい食事をなあ」


 ガラムは脂汗を流し、足をガクガクと震わせながら媚びる様な顔で言った。


「はぁ……はぁ……すまない……俺の声はうるさかっただろう……」


「ああ」


 クロノスの言葉を聞き、ガラムはヘラっと笑うとゆっくりと後ずさりしていった。

 一歩、二歩、三歩下がった所で――ガラムは元の位置に戻っていた。


「待てよ」


「…っ!」


「全員に謝れよ」


 数分後、ガラルは家の外に出てきたロゼやピット、エリザ達に頭を下げて謝っていた。


「すっ……すまなかった……」


「儂はもう魔王の座になど興味はない。二度と関わらんといてくれ」


「はい……ありがとうございます」


 ロゼの言葉に一層頭を下げたガラムは、そのままとぼとぼと家から遠ざかっていくと、ロゼたちから見えなくなったところで黒龍となり、ガラム国へと帰っていった。


(命があっただけ……俺は幸運だ……)


 二度とロゼに関わらない様にと心に固く誓いながら。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 命あって良かったな。 無謀にも攻撃しようとしたら、退場してたぞ。 [一言] 身に刻まれたモノは忘れてなかったんだねぇ。まぁ、半不死で延々と斬られてたらそら恐怖するか。
2021/02/16 21:44 名無し忍者
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