ガラム……出陣
生活水準が……めちゃくちゃ上がった!
俺はキッチンで小麦粉をこねながら、テキパキと働くゴーレムを見て思わず上機嫌で叫んでしまう。
「これだよこれ! これが国賓の生活なんだよ!」
ゴーレムたちが俺が料理をしている間に家の掃除をしてくれている!
この料理が終わったらゴーレムたちが勝手に食器洗いをしてくれる!
しかも畑の水やりもしてくれるんだ! 最高すぎる!
その時、頭の上にノームを乗せたロゼが近づいてきた。
『ピ?』
「今日のご飯は何かと聞いてるぞ」
「ん~? 今日か? 今日は麺料理を作っちゃうからな~! そうだ! プリンも作ってやろう!」
『ピ!』
「楽しみと言っておるぞ」
俺はバンっと麺をまな板に叩きつけながら答える。
ロゼはかなりノームに興味深々らしく、最近ではノームを頭の上に乗せながら生活している。
毎日のように話しかけていたら、なんとなくの意思疎通なら出来る様になってきたらしい。
俺は麺を茹でながらロゼに話しかけた。
奈落のダンジョンに行った時からずっと気になっていたことだ。
「なあ、そいつたちの目的って分かったのか?」
「う~む……まだそこまでは通訳できんのぉ……ふんわり分かるのは、穴を掘ってゴーレムを作るのがこやつらの本能? 使命? とにかく必要じゃと言う事じゃな。ダンジョンの奥に誰も行かせたくないらしいぞ」
「ふぅ~ん。まあ、普通に聖剣とかあったからなあ。なんか守ってんのかな」
少し好奇心が刺激されたが、今が幸せならそれでいいや。
どこまで続いているのか分からない奈落のダンジョンを進んで行くのは、流石に時を止められる俺でもキツイからな。
(まあ、あのダンジョンの謎は遠い未来誰かが解いてくれるだろう……多分な)
それが人類なのか、それ以外なのかは分からないが……もし人類だったら俺と同じく勇者なのかもな。
おっと、そろそろいい茹で具合だ。
「さて、そろそろ飯が出来るぞ! お前ら手を洗ってテーブルに着いとけよ!」
「「「わぁ~い!」」」
『ピ~!』
〇
その頃――ガラム国。
玉座に座るガラムの元へ、部下の龍人が定期報告をしていた。
資料を片手に何ともないような感じで報告する。
「ガラム様。ロゼは現在ゴーレムを十体程仲間にしたそうです」
ガラムはその言葉を聞いて硬直した。
(ゴーレム……? 確かドワーフとダークエルフの部下がいた筈だから……作れるようになった……と考えてもいいが、いきなり十体は気になる)
「ゴーレムを十体? いきなりにか? それはどれくらいの強さだった?」
いつもと変わらぬ定期報告を予想していた部下は、今日に限って質問をしてくるガラムに驚き、手元の資料をパラパラと見返しながら言った。
「え? はい。突如現れたように感じましたが……強さはあまり感じませんでした。大きさはかなりの小型で家の掃除や仕事などを手伝っています」
部下は、それほどこの事を脅威と思っていないのだろう。
しかし、ガラムはその言葉を聞き、眉をしかめてゆっくりと目を瞑った。
明らかに自分が知っているゴーレムとは大きさも、出来ることも違うのだ。
(ドワーフとダークエルフの力なら……出来なくもないのか? いや……違う……分からない力を持っている事自体が危険だ……もしも奴らが成長して巨大なゴーレムを大量に作れるようになったら……)
ガラムはふと、三年前勇者に殺された事を思い出していた。
自分の防御力ならば必要ないと思いつつも飲んだロゼの血。
それが無かったら、自分は今この玉座に座っていなかったであろう。
(警戒は……しすぎても問題はない)
ガラムは玉座から立ち上がると、カっと目を見開き、背中から翼を生やした。
龍人ガラムの人龍変化である。
みるみる内にガラムの姿は巨大になっていき、その姿は龍そのものへと変化していった。
「がっ……ガラム様?」
「俺が直々に確認した方が早いだろう。どれだけ力の弱いゴーレムでもそれだけの数がいるなら無視できん。今まで見逃していたが奴の部下を殺すときが来たようだ」
驚く部下にそう言うと、黒龍に変化したガラムは翼を広げ、ロゼの家の方向へと飛び立った。
そのスピードは音速を超えるほどの速度。
数百キロある距離も数時間満たずに到着するだろう。
(確か……奴の部下にはドワーフとダークエルフ……そして人間一人だったな。少し脅せば静かになるだろう)
ガラムは黒龍の姿で飛びながら、ゴーレムごとロゼの家を破壊する算段を付ける。
その中にいるドワーフとダークエルフなぞ死んでもかまわないと言った様子で。
現在ロゼの家に、元勇者クロノスが国賓としている事を知らずに。
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