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奈落のダンジョン4

 四階層


 下に続く道を進み、到着するとそこは無人のエリアだった。

 モンスターもゴーレムも誰もいない。


「……」


 本能的に時を止め、聖剣を取りだす。

 炎弾ファイヤーバレットで周りを照らすと、壁にはびっしりと黒い毛むくじゃらの何かがいた。

 近くに寄って見てみると、一匹一匹の大きさは手のひら程度。長い毛で覆われていてまるで毛玉の様なのが良く分かる。

 もしかしてこれって……。


「……ノーム?」


 伝説上の生き物だと思ったけど、まさか存在するなんてな!

 妖精種なんて初めて見た! 思わずテンションが上がる!


「うおー! なんだこいつら! めっちゃフワフワじゃん!」


 壁から一匹手に取って手の中で転がす。

 凄い! ふわふわだ! 真っ黒な毛の塊かと思ったけど、よく見るとクリクリの目もある!

 足も手も細くて小さいのがぴょこんと出てる! すっげえ! 可愛い!


「まさかこんなところでノームに出会うなんてな」


 俺は手に取ったノームを壁に戻し、時を動かし始める。

 ついでだ、ここで飯も食べてしまおう。


『ピ!?』


 ノーム達は急に現れた俺に驚いたのか、そのままワサワサと逃げて行った。

 俺はその光景を見ながらアイテムボックスからシチューの入った小鍋を取りだし適当な岩に腰を掛けて飯にする。


(帰ったらこの事あいつらに話してやろ。ノームに出会ったとか羨ましがるだろうな)


 流石に何百年も生きてる魔王でも妖精種にはあったことは無いだろう。

 なんたって太古の昔に絶滅したからな。


『ピ?』


「なんだ、お前も食いたいのか」


 その時、一匹のノームが俺の元へとやってきた。

 興味深々と言った様子で俺のシチューを眺めている。


「食ってもいいよ」


 小鍋をノームの方に差し出し、食べるようにジェスチャーで促すと、ノームは恐る恐る小鍋に細い手を突っ込みシチューを一舐めした。

 美味いだろ? 家の人気メニューだぜ?


『ピ! ピー! ピー!』


 ノームは食べた瞬間驚いたような顔をして、通路の向こう側の闇に向かって叫ぶと、ワラワラとノーム達が集まってきた。

 おいおい……もしかして……。


『ピ!』『ピー!』『ピピ!』


「……まあいいか珍しいもの見れたし」


 一瞬にして俺のシチューはノーム達に食いつくされた。

 相当美味かったらしく体に着いたシチューをペロペロと舐めたりしている。

 ……もう少し食べたかったんだけどな。


『ピ!』


「ああ、どうも」


 その後、ノーム達はぺこりと頭? を下げると闇へと消えていった。

 なんかいい事した気分だ。よし、仕事頑張るか。


「あーしんどい!」


 四階層は一際複雑だった。

 と言うかあり得ない程。

 半日程歩き回り、疲れたので時を止めて睡眠をとることにした。


(モンスターがいるダンジョン内で安全に睡眠をとれるって、本当に便利な力だよな)


 目を覚まし、時を動かす。

 さて、今日もダンジョンのマッピングだ。


「なるほど……この四階層……地下にまで繋がってるのか……そしてゴーレムを作っていたのは……」


 そして、探索すること五時間。

 俺が見つけたのは巨大な大穴だった。


『ピ!』

『ピピ!』


 その大穴の周りには大量のノーム。

 土を集めて大量のゴーレムを作っていた。


「これは……ローランに要報告だな……」


 いや、多分報告しても人類にはどうしようも出来ないだろう。

 だってノーム達が作っているのは……。


『阿』

『吽』


 目の前には怒りの表情のゴーレム。

 一瞬俺と目が合い、そのまま隣を通り過ぎて、恐らく三階層に上がっていく。


「なあ、ノーム達よ。もしかしてお前らは人類を……いや、世界を滅ぼすつもりなのか?」


 作業中のノームに話しかけると、彼らは違うよと言わんばかりに頭をぶんぶんと振り、ピーピーと騒ぐ。

 まあ、もし本当に滅ぼすつもりなら既に滅ぼしているはずだしな。


「では何のためにこんな事をしてるんだ?」


『ピー!』

『ピー!』


 うん。分からん。

 でも何か目的がありそうなんだよな。


「うう~ん……でもどうすっかなこれ……流石にこの大穴の中には行けないし……他国へのルートも見つからん」


 頭を抱えて悩んでいると、ノーム達が俺に近寄ってきて騒ぎ始めた。

 何かを教えようとしてる? 俺が書いた地図を指さしてる?


『ピ!』

『ピ!』


「もしかして……他国へのルートを教えてくれるのか?」


『ピ!』

『ピ!』


 ダンジョンの地図を作製していた紙を出してノーム達に渡すと、彼らは一階層の地図に道を描き足してくれた。

 同時に三階層への道にバツ印を。


「……この一階層に描いた道が他国へと行くルートか?」


『ピ!』


「……そして三階層には近づくなと?」


『ピ!』


「……分かったローランに伝えとくよ」


『ピ!』

『ピ!』


 俺が帰る雰囲気を察したのだろうか、ノーム達は俺の服を引っ張り始めるとどこかに連れて行こうとした。


「え? なになに? 壁?」


 そして引っ張られるがままついて行くと、辿り着いたのは何の変哲もない壁。

 しいて言うなら古代文字が書いてあるくらい?


『ピ! ピ!』


「はあ!? なんだこれ!」


 そして、一匹のノームが壁を叩くと、壁が横に開いていき、四角い空間の様なものが現れた。

 中は人が数人はいれるような大きさの空間で魔光石で明るく光っている。

 ノームに促されるように中に入ると壁が閉まる。


「お……おい……なんっ……おお!?」


 瞬間――上から押しつぶされるような感覚。

 敵意は無いので攻撃ではないようだが……なんなんだコレは。

 数分後には一瞬の浮遊感。なんだと思う前には目の前の壁が再び開いていた。


「え? 臭い……ここ一階層?」


『ピ!』


 辿り着いた先はゴブリンの異臭漂う一階層だった。

 もしかして今の……転移の魔法だったのか? いや……魔法の感覚は無かったが……。


『ピ!』


「……地図のここに着いたのか?」


 俺の地図をしきりに指さすノームに問いかけると、ノーム達はコクコクと頷いて再び壁の空間に入っていった。


『ピ!』

『ピ!』


「……ああ、バイバイ」


 ノーム達が手を振ると壁が閉まり、ゴウンと言う音が一瞬響く。


「……とりあえず帰るか」


 訳が分からないが、唯一分かるのは今回の仕事が終わった事と、早くローランにこの事実を教えなければいけない事。


 俺は地図に従って奈落のダンジョンを出ると、時を止めローランの元へと向かった。

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