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ローラン伯爵

 ――時を止めた世界。


 俺はロゼの家から飛び出すと、魔力によって身体強化をし、ローランの元まで走り出した。

 確か昔は子爵だったのに、今は伯爵とは偉くなったものだ。

 そして走り出して半日程走った頃だろうか、俺はローランの城に入り込むと執務室で一人書類を見つめているローランを見つけた。


 三年前、まだ子爵だった頃と変わっていない。

 茶色い長髪を後ろで纏めた細身の男――ローランの目の前に立つと時を進める。


「おい、ローラン」


「は!? は!? なっ……クロノス様!? なんで!? 失踪したはずじゃ!?」


 突然眼の前に失踪中の元勇者が出てきたので驚いたのだろう。

 ローランは動揺して椅子から転げ落ちた。

 そんなローランを見下ろしながら言う。


「端的に言う。望みを言え、金貨百枚で叶えてやる」


「え? え? どういうことですか!? いや、違う! そうじゃなくて! 金貨百枚くらいならいつでもあげますよ! 三年前魔王軍から私たち領地を救ってくれたことは今だ忘れていません!」


 ん? んん? あれ? 想像していたのと違う。

 貴族なんて……王みたいに俺の事を道具にしか思ってない奴だけかと思ってたけど違うのか?

 なんかいい奴っぽいぞ?


「あれ? お前……もしかして俺に感謝してんの?」


「当たり前じゃないですか! 私たちの命を! そして世界を救ってくださったんですよ!? クロノス様がいなかったら今頃私は魔物の腹の中でした! ああ、そうだ! いい酒があるのでごちそうしますよ!」


「え……うん。ありがとう」


 その後、ソファーに促され、座る。

 ローランは執務テーブルの中に大事そうに仕舞ってあった酒を取りだすと、グラスに注いで俺の前に置いてきた。


 う~ん……ありがたいけどあまり飲みたくないかな。いつもピットの酒を飲んでるし。


 対面にローランが座ったのを見ると俺はゆっくり話し出した。

 とりあえず、聞いておきたい事はコレだ。


「なあ、俺さ……魔王を倒した後王に人殺しの道具として使われてたんだけど……それ知ってる?」


「ええ!? そうだったんですか!? 私たちには……勇者様はその後王国騎士となって幸せに暮らし……そして突如失踪したと」


「……なるほど……そう言われてたのか」


 やっぱりあの糞王クズだった。

 人を暗殺者紛いの道具に使っておいて、しっかり体裁は保っていた。


 なんだよ、外の人間は全員お前のことを化け物だと恐れてる。とか言ってたの信じるんじゃ無かった。

 軽く人間不審になって、姿変えて冒険者の荷物持ちなんてしてたよ。

 目立つとバレそうだしな。


(もしかしたら……王から逃げた後コイツの元で暮らす世界もあったのかもな)


 と、思ってしまう。

 確実に今よりも豪華な暮らしは出来たはずだ。

 幼女三人と貧乏生活をしなくてもいい。

 ローランが俺の顔を伺いながら話し出した。


「三年前……魔王軍から私を救ってくれたことは一生忘れません! ……もし今勇者様が生活に困っているようでしたら私の城で暮らして貰っても大丈夫ですよ? 勿論王には言いません!」


「勇者じゃ無い、元勇者な。それと今俺は苦労なんてしてない。なにせとある国の国賓だからな」


 煙草に火を付けながら言った。

 煙を吐き出しながら、この一年間幼女三人と過ごした生活を思い返す。

 ……いや、苦労はしてたな。国賓……だよな?


「そうでしたか……恩を返せず残念です」


 そう言うとローランは金庫の中から金貨百枚を取りだし、俺に渡した。

 ……はあ。こんな形で俺が受け取る訳ねえだろ。


「その金は受け取れない。その金に見合う仕事を言ってくれ」


「いえ……でも三年前この領土を救ってくれた時も、お金を受け取ってくれなかったじゃないですか」


「勇者の仕事の一環として救っただけだしな。それにあの金は復興に使った方がいいと思った」


「……そうですか」


 ローランは肩を落とすと、金をテーブルに置き少し悩むと執務テーブルから一枚の紙を持ってきた。

 チラッと伺うと内容が見えた。なるほどね。


「正直これは……金貨百枚程度の仕事ではないのですが……隣国との貿易中継地点……ここから北に二週間程行ったところにレッド……」


「今倒してきたよ。レッドドラゴンでしょ? はい、証拠の首」


 俺はアイテムボックスの中からレッドドラゴンの首を取りだすと、テーブルに置いた。

 かなり疲れた。主に移動が。


「なっ……は? ええ!? ああ! 確かにこのレッドドラゴンの額の傷! 邪魔をしていた個体です! ええ!? えええええええ!?」


「じゃあ金貨貰うね。はぁ……これでやっとリベルの営業許可証が買える」


 思わず愚痴が零れてしまう。

 現実世界では一瞬だが、俺の中では三日以上かかっているからな。


 用事は済んだしローランの城から出ようとした瞬間――ローランが俺の手を掴んだ。


「ちょっ……ちょちょ! ちょっと待って下さい! 今リベルの営業許可証って言いましたか!?」


「え? うん。この金貨百枚で営業許可証を買うんだよ」


「なんでですか!? 買う!? 金貨百枚で!? なんでですか!? そんなにしないですよ!? と言うかええええ!? 整理させて下さい!」


 今日一番ローランが混乱していた。

 何か俺も引っかかることがあったので、そのまま残る事にした。

 煙草に火を付け、そう言えばローランが出してくれていた酒に口を付ける。


 いつもピットの酒を飲んでるから、あまり他の酒を飲みたくないん……。


「えええええ!? ええええ!? あれええ!? ローラン!? この酒! ええええ!?」


「ええ!? なんですか急に! 私だって今混乱しているんですよ! その酒はニギルって言う商人から金貨二十枚で買ったドワーフの酒です!」


「ええええええ!? 金貨二十枚!? ドワーフの酒!? えええええ!?」


 少し……話が必要なようだ。

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