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ある昼下がり

作者: ヒデオ

コーヒーを飲もうと立ち寄った喫茶店。

店員に注文してホッと一息ついてスマホを取り出してSNSでも見ようと瞬間に私の意識は飛んだ。


気がつくと、私は広い野原の真ん中に立っていた。辺り一面霧だらけであった。

持っていたはずのスマホはなく、槍を持っていた。

「おい!おまえ突っ立ってないで歩け。敵はもうすぐで突っ込んでくるぞ。」

敵、何のことだ。そう言えば、さっきから身体が重い。

よく見ると大河ドラマで見る足軽の格好をしていた。

ここはどこだ。戦場なのか。いわゆる戦国時代なのか…

いろいろな考えが頭をよぎった。

「福島勢、突っ込んで来ます!」

「よし!宇喜多の力を見せつけてやる!」

その会話で全て分かった。曲がりなりにも歴史好きな私は、ここが関ヶ原で開戦直前の宇喜多勢に紛れてしまったようであった。

しかしながら、回りの足軽達は疲れきっているようであった。

足軽の一人が根を上げるように言った。

「夜にあれだけ動いて疲れきった。戦う力なんぞない。」

足軽がそう叫んだ時に福島勢が突っ込んで来た。

宇喜多の足軽はあっという間に討たれ、宇喜多勢は壊滅した。

私は逃げ回った。

回りを見ると、後世、西軍と言われる部隊は散々に敗れていた。小早川勢は最初から西軍を攻めていた。

東軍は元気いっぱいである。

なんだ最初から勝負はついていたんじゃないか。

そう思いながら私は逃げ回っていた。


しかしながら、ついに敵に追い詰められた。

「あゝ、もう駄目だ。」

と叫んだ瞬間であった。


「お客様、お客様。」

と呼ぶ声が聞こえた。

気づくと、さっきの喫茶店であった。

「お客様、コーヒーをお持ちしました。

少しお眠りのようでしたね。

起こしてしまって申し訳ございません。」


店員はそう言ってコーヒーを置いていった。

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