勇者編 第六話 ホワイトキャッスル
なんかだんだんスムーズに書けてくるようになってきた今日このごろ。
どうなる勇者編第六話!
勇者編 第六話 ホワイトキャッスル
「あ、遅かったね。大丈夫だったの?」
「遅いよ〜。どこ行ってたの? 迷子なの? バカなの?」
教会を出て、馬車乗り場まで来た途端、クラス委員長たる風花からの優し〜い言葉と水樹からのキツ〜い言葉が待っていた。
「迷子なんかじゃねえよ。」
「じゃあ、なんだって言うのさ、こんなに遅れてさ!」
「ただ、少しおれのステータスが他のみんなと違っていたってだけさ。ギフトとか、才能値とかな。」
「絶対嘘だ〜。」
「何言ってやがる。そもそもおれはシスターのあとに入ってきたんだぞ。その時点でシスターに着いてきたとわかるだろ。あと委員長、心配ありがと。でもおれは大丈夫さ。」
すると、風花はホッとしたようで、
「良かったよ。なにかあったんじゃないかって心配だったんだよ。何が起きるかわからないもん。」
と、心配してくれていた。
ついでに、水樹が、
「むぅーー。わたしだって心配してたし! あんたみたいなやつ、トラブル起こしそうだから! 心配してやったんだから感謝しなさいよね。」
と、なんかすげえ上から目線で言ってやがった。
「は〜い! 勇者様がた! 馬車の準備ができたので乗ってください! 1台の馬車に大体10人くらいでお願いしま〜す!」
おれを案内してくれたシスターがクラスメイトに向かって大声で話していた。
さっさと、馬車に乗ろう。一番後ろの3台目の馬車でいいか。っていうか、この馬車、白いな。っていうか、この教会自体めっちゃ白かったな。そういや何分で着くんだろ。
「あの、シスターさん。」
「はい、なんでしょうか。」
「馬車は国王様?のところまでどのくらいかかりますか?」
「徒歩一分です。」
「はぁ?」
思わず、素で聞き返してしまった。だって、徒歩一分なら歩いて行けばよくないか? なんで馬車で行く必要があるんだよ。むしろ馬車のほうが時間掛かりそうだろ。
「おや、その顔、もしかして馬車で行くのが不思議ですか?」
「まぁ、その、はい。」
「神々から選ばれし勇者様がたなんですよ? 王城へ迎えるのに、歩かせるだなんて。馬車で迎え入れなければ、国としての威厳がありませんからね。わざわざ、馬車で行くんです。」
「そうですか……。」
「ほら、他のみなさんは乗りましたよ? あなたも早く乗ってください。」
「わかりました……。」
やっぱ価値観が違うんだろうなぁ。日本とは。わざわざ歩いたほうが早いのに、馬車で迎えたほうがいいらしい。これからも価値観の違いで何か問題が起きそうなんだけど、大丈夫かなぁ? 考えても仕方ない。さっさと、後ろの馬車に乗るか!
「は〜い、それでは出発します! すぐ付きますけど、馬車から降りたら、騎士様たちが二列で並んで道を作っているので、そこを通ってくださいね?」
馬車乗り場は、ようは、バス停のようなものだ。どこかしら、多分倉庫とかにおいてある馬車を、馬車乗り場まで連れてくるのだ。馬も一緒に。しかし、バス停とは決定的に違うところがある。
「馬車乗り場の天井、あれ浮いてるのかよ! さすが異世界だよ! どんな原理だよ! 馬車乗り場にあんなテクノロジー必要か?」
「うるさいわよ、えっと、あれ? あんたの名前ってなんだっけ?」
なんか水樹が言ってくるが、ツッコミどころ多すぎるだろ。これも価値観の違いか……。
程なくして、というか数秒で王城とやらが見えてきたけど、白くね? めっちゃ白いぞ? ヨーロッパとかでよくありそうな城でかい塀に囲まれている。しかし、その全てが白い。白すぎるやろ!
王城のでかい扉の前に着く。正確には、扉の前に二列でならんだ、鎧を来た人たちの前に。あれが騎士か。兜をかぶっているから、みんなおんなじに見える。てか、あの人たちの武装も白っ!普通は鉄とかじゃないのか?鎧とかって。
「は〜い! 着きましたよ! 前に見えるのが、オリハルコンの鎧を来た騎士団の幹部がたですね? オリハルコンを着てますからね! では、降りてくださ〜い!」
あれ、神話やゲームなどで出てくるオリハルコンだったのね。てか、そんなのまであるのね。ミスリルとか、ヒヒイロカネとか、アダマンタイトとかもあるのかなぁ? さっさと降りよう。
騎士たちの間を歩いていくと、『勝手に』扉がこちら側へ開いていく。そのままクラスメイトたちが進んでいくので、仕方なく、おれも着いていった。
そのまま赤いカーペットの上を直進し、『謁見の間』らしきところへ来た。なにせ、豪華な玉座に王冠を付けた、金髪の若い男が座っているし、この部屋の左右に役人らしき、武装をしていない人たちが並んでいるからだ。
「ようこそ、余の城へ。勇者諸君。一名勇者ではないものも召喚されたものもいるようだが……。」
やっべ、ぜってえおれのことじゃんか。さて、どうなるのやら。
「歓迎しよう。なにせ、勇者たちと一緒に召喚されたのだ。なにか役割があるかもしれない。それに勇者の友人を消すことは得策とは言えんしな。多少の不遇は仕方ないが、そこは諦めてくれ。では、各自メイドたちにこれから住む部屋へ案内させよう。着いてくがよい。」
こうして、謁見は終わった。おれはメイドに着いていった。幸い、他のクラスメイトたちと近い場所だ。端っこだけど。城の中に住むのかぁ。てか、城は白いけど、生活用品は白くないのな。
「これがこの部屋の鍵です。失くしても、持ち主のところへ戻ってくる魔法が掛けられています。安心してください。では、所有権を譲渡します。『譲渡・所有権』!」
『発動『スキル『譲渡『所有権『部屋の鍵』』』』』
「スキルとか必要なのかよ! 自分しか持てないって結構不便だな。」
「貸出したければ、貸出したいと願って渡せば大丈夫です。」
「あ、そうなのね。」
「では、今日はごゆっくりしていってください。明日からどう行動するか、説明があると思いますので。」
ちょっと待てよ。時間感覚も一緒なのか?てか、今はいつなのか?
「時間感覚ってこの世界どうなってるの?てか、今は朝? 昼? 夜? どれ?」
「この世界の時間は一日が24時間で、午前と午後にわけられています。」
「一緒なのか。そこはよかった。」
「今は、午後5時です。料理は食堂で食べてください。偉い方は部屋で食べますけどね。食堂は二階の南にあります。ここは三階です。では、なにかありましたら、近くのメイドに話しかけてください。」
なんかどっと疲れが出てきた。部屋に入って寝ようかな。
部屋に入って中を見た。
「なんで! 異世界なのに! 日本のホテル見たいな部屋なんだよ! ツッコミどころ多すぎるわ!」
さらに疲れが出たのであった。
この小説を読んで、
良かったと思ったら、
高評価、
感想、
ブックマークに追加を
よろしくお願いします!