聖編 第二話 ストロングギルド
聖編 第二話 ストロングギルド
「はぁ〜、ふむ、よく寝た」
さて、さっさと帰ろうか。
あれ?
「おれは確かヴァルキリーの『転移』でここに来たよな?
どうやって帰ればいいんだ?
道わからんぞ?
まあ、適当に進めばいいか」
楽屋モドキを出る。
右が闘技場だから、行くとするなら左だな。
「さっさと帰って二度寝しよ」
ーーーーーーーーーー
「これは……どういうことだ?」
進んだ先の奥に扉はあった。
当然扉に手をかけた。
しかし、開かない。
「『ブースト』」
強化魔法で身体能力を上げた。
しかし、扉は開かない。
「はあ!?
どうなってやがる!
なんで開かないんだ!
鍵穴もないのに!
ただの木の扉なのに!」
強化魔法をかけてあるから、かなりやばい力がかかってるのに開かない。
「仕方ないな、そう、これは仕方ないんだ。
ヴァルキリーのせいなんだ。
なにせ、この空間に閉じ込められてるから。
だから、もしもこの扉を『魔法』でぶっ壊してもおれのせいじゃない。『フレイムチャージ』!」
手の上に炎が集まる。手が熱くなる。
「壊れろ! 『フレイムブラスター』!」
炎のブラスターが放たれ……
激しい音がなった。
扉は『無傷』だった。
「は? まじで? こうなったら、来たときと同じ『転移』を使うしか?
でも、おれに使えるのか?
それか……『係員』が通りかかってくれねえかな。
確かここは冒険者ギルドだったな?
受付のところに行ければ……」
迷っていたら、扉がひとりでにこちら側に開いた。
「え? なんで?」
そこを通ると、受付のカウンターの横の扉から出た。
「え? まじでなんで? 壁の材質とかもこっちは『木の壁』だぞ? あっちは『金属』っぽかったし」
「どうされました?」
受付の美人さんが話しかけてくれた。
「あの、ここの扉ってなんですか?」
「はい、ここ、冒険者ギルドの扉は魔法がかかっているので、念じれば、冒険者ギルド内の『どこでも』行けますよ?
さすがに『権限』がないと行けないところもありますけど……」
「あ、そうなんですか、ありがとうございます」
「いえ、お役に立ててよかったです。
真ん中の受付の左右にあるたくさんの扉は、どれも念じればギルド内に繋がりますので。
迷ったら『受付に来たい』と念じてくださいね?」
「あはは、もう手遅れですね……」
だが、やっぱりファンタジーな世界なんだな。
一応聞いておいて損はないかな?
「例えばどんなところに繋がりますか?」
「そうですね……例えば、ギルドが運営してる『訓練場』や『スキル屋』だったり、『消耗品屋』や『武具屋』だったりですかね?」
「え……そんなスペースこの建物にあります?」
「冒険者ギルドの本部は『亜空間』にあるんです」
「へ? あくうかん?」
「はい、ですので、ギルドの支部は亜空間への入り口だと思っていただければと。
本部経由で他の国にも行けちゃいます。
だから、国もギルドには逆らわないようにしてますね」
「……スケールが大きすぎるような……?」
「さすがに他の国へ行くのは料金をとりますよ?」
「いや、それでも遠くへ一瞬で行けるというのは戦争とかに使えばやばいのでは?」
「だから、国は『逆らえない』んです。
ギルドが国をまたいでの『自由な組織』なのはそういう理由ですね。
冒険者なら『常識』ですよ?」
「まだ、冒険者見習いですので……」
「見習いの方は、まだ武具屋やスキル屋で武器やスキルを買ったりはできませんよ?」
「スキルを……買う?」
「おっと……まだ見習いには教えてはいけないことでした。秘密にしてくださいね?」
「はい、わかりました……」
冒険者ギルドって思ってた以上にやべえ組織だな!!
冒険者ギルドはやべえです。
他の国を一日で滅ぼせるほどやべえです。
でも、冒険者自身はその国出身だったりしていて、仮に喧嘩を売っても冒険者はギルドには加担しないでしょう。
それを引いてもやべえです。
どこへでも行ける施設でお金をめっちゃ儲けてるので、その金で国が買えるほどやべえです。
あと、やべえのにも理由があります。
詳しくは第二章でやるつもりです。




