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ソロキャンパーの転生先はショタっ子魔族でした  作者: しき
異世界に転生しまして
19/32

第18話 旅路にて~3日目~

その日は朝から雨だった

降り始めたのはまだ朝日も昇り始める前

ちょうど空が白み始める頃

ぽつりぽつりと始まった雨はあっという間に本降りになった


街道では雨を避ける手段が無い

森に入れば多少は避けられるだろうがそれも一時しのぎだ

凌げないよりは凌いだ方が良いのは当たり前

ぼくらは街道をそれて大森林へと方向転換した


街道とはいえこの辺りには村も町も無い

整備されている訳でもなく、ただ草原の中に草の生えていない箇所がある程度

それほど人の往来が無い以上、整備に予算が回される事も無い

勿論人の往来が無くなる冬になればこの道すら無くなるだろう


馬車や牛車もそれほど一般には普及していない

小金持ちの商人や一発当てた冒険者くらいだ

勿論貴族階級は持っているだろうがこんな辺鄙な地には来ない

出るのはいいとこ盗賊くらいになってしまう


あとは村の中で自作するのもあるだろう

それだって年貢の納め時には一緒に収めるパターンがあるようだ

どうせ冬には雪に埋もれて街道の往来は出来ない

なら冬前に収めてしまって春から新しく作り直せばいい話だ


もっと馬車や牛車が普及していれば道の整備も必要性があるだろう

でもこのご時世にそこまでの必要性が無いわけだ

なので今回も道なき道を行く旅

というか道だったらしき草原のハゲを探す旅になってたわけだ


だったら森への雨宿りも大した手間じゃないかもしれない

とは思うのだが既に日程は遅れているらしい

明確な期日は有って無いようなもの

急ぐ旅では無いが焦りは出る


だが雨の中では視界も悪い

強行軍では万が一もある

盗賊の20人程度なら…なんとでもなってしまった

だがこれが魔獣だったら、となる


森から出てくる魔獣は少ない

だがこちらから森に入れば話は違ってくる

各段に遭遇率が上がってしまう

避けるべき危険ってやつだ


馬型やウシ型なんかは比較的大人し目で対処もしやすい

だが肉食獣型、オオカミ型やクマ型になると話が変わってくる

以前村に出た大マダラ熊なんかは小型の竜と同クラスとされるらしい

まぁぼくは竜なんか見た事無いんだけど


思うにこの世界の生態は何かとおかしい

見た事のある生物が結構いるし

やはり見た事のある植物が大部分を占める

異世界の生物というより突然変異を起こした地球って感じだ


勿論魔法だの魔術だの、人の筋力だって地球とは全然違うのは確かだ

人間を頭蓋骨ごと両断出来る筋力って何さ、って話だ

それが出来るのは人間じゃないだろう

でも目の前に居るんだな、これが


そうこうするうちに外の雨はますます酷くなっている

牛車の後ろの幌からは外の景色もまともに見えない

勿論前方も同じことになっているだろう

前方の御者台に座る父の姿さえ霞んで見えた


「おいシグルド、そろそろ雨宿りできる場所でも探した方がいいんじゃねぇか?」


「………」


「…あなた…?」


シグルドの返事は無い

ことこと揺れる牛車

雨のせいもあって気温はさらに低い

雨風凌げても気温も室温も変わらないのだ


その寒さが余計に嫌な予感をもたらしている

判りやすい嫌な予感だ

前が見えなきゃ誰でもそうなる

つまりはそう…


「迷った…」


牛車の中を否応なく沈黙が支配した




かくして夜のとばりが降りてくる

一寸先は闇という言葉がこれほど似あう環境も無いだろう

雨の除けの魔術のおかげで牛車の中だけは濡れずに済んでいる

だがそこまでだ


本来なら今日にはロレーヌの街までついているはずだった

だが朝から降り続いた雨が行く手を遮り、予定の半分も進んでいないという

天候ばかりはどうにもならないものだ

ぼくらはすし詰め状態の牛車の中で夜を明かすこととなった



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