神々の決断
加護の部屋に戻ったオレーヌは目の前でガイルに怒られながら椅子に座り下を向いている2柱を見て、手の甲を口に添えながらクスクスと笑い自分も椅子に座る。
「ガイルもその辺で止めてえりーちゃんの話しをまとめましょ」
まだまだ言い足りないのかぶつぶつ言っていたが、大きめに咳払いをし気持ちを入れ替え、改めてラルトスを見て、次にエリッサ、最後にオレーヌの顔を見た後で1つ頷いてから、もう一度エリッサの方を見て話し出す。
「エリーや、さっきオレーヌとも話したのじゃがおぬしはどんな事をしたいのじゃ?地上に直接・・手を出すなら故意的に、今の星のバランスを崩し掃除リセットを早めることになるのかもしれないのじゃぞ?それ以外にも、混乱から地上でおおきな争いが起きて生き物が沢山減る事にもなると思うがそれでもいいのか?加護を少し与えてやるだけじゃだめなのか?」
ガイルは少し強めの加護を与え、状況を変えれるような者が育つのを待つか隷属を受けない加護を皆に与えれる程度で済すませるために大きな問題があることを指摘する。
自分で言いながらも、加護を過剰に与えればどの道混乱は避けれないだろうが、まだ小さな程度で済むのじゃないかなーと希望的観測に考えていた。
そこにエリッサが答えようとする前に、ラルトスが割り込み不満げに文句を言う。
「また俺抜きで話してきたのかよ・・・。しかもじーさんガイルの口振り的に、下に干渉する気満々じゃねぇか!」
取り合えず話に入ろうとするラルトスだが、肝心の穴だらけ計画に関係ないのでエリッサは無視してガイルに答える。
「えっとね。それだけじゃ楽しくなるまでに時間かかるし、育つ前に隷属させられたり死んじゃったら意味ないじゃない?後は隷属しなくなったら奴隷の方が強いから、あばれて統治できる人皆殺されちゃって、国ができて落ち着くまでに時間がかかるだけだとおもうしー、加護切れた子たちがまた同じことするだけなような気がするし・・・いっそのこと、もっと楽しく一生懸命に生きるのがいい!」
エリッサが自分なりの意見を頑張って言ってる姿を微笑ましくガイル達は見ているが、内容が大雑把すぎて少しの加護で出来る事じゃない事が分かっただけで、どの位までで我慢させるかとガイルが思っていると。
「それならいっその事、一生懸命に生きるしかない状況にすればいいじゃないか」
ラルトスは無視されたのが嫌だったのかエリッサに味方し、まんまとキラキラ笑顔を向けられ、ニヤけそうになりながらオレーヌに話しかける。
「前に他の星の話をしている時に、色々やってる事とかはなしただろ?ああいうのの良い所とか集めりゃ目標にする奴らもいっぱい出てくるだろうしな」
「どの部分を使うかにもよるけど確かにそれなら上手く行くと思うけど、良い所だけじゃなく悪い所も残して置かないと楽に生き始めるだけじゃないかしら?それにそれじゃ星の資源を直ぐに使い切っちゃて掃除しないとダメになるのも早そうよ」
「だな。それにエリッサが言ってた移動もさせなきゃダメなら、ドラゴンの事もどうにかしなきゃだめだしな」
「ドラゴン・・・そう言えば、ガリアードとルビゴンには話しなきゃだめよね?」
ラルトスと話してるうちに地上に居る2体のドラゴンを思い出しガイルに尋ねる。
「そこまでするのか・・・?まぁー何かするなら一応伝えてやった方がいいじゃろ。あ奴らは進化しすぎで掃除する時にも生き残って、かれこれ2週は生きとるからの。わし等がどうするのか伝えとかないと、あ奴らの出来る事が増える分には良いかもしれんが、出来ない事が沢山増えて暴れられても困るからの・・・。地上が良いのか、こっちに誘っても来なかったのを見るに生まれた頃とは違う発展していても星の上で過ごすことに思い入れでもあるんじゃろうてな」
かなりの部分が改変されそうな流れになっているが、もう子供達のやりたいようにさせる事にし地上である程度制御するのを手伝ってくれているドラゴンも、話しに加えてやった方が良い案配あんばいに落ち着くだろうと思い誘う事にした。
それから2体のドラゴンにも会話できるようにした後、4柱と2体であれこれと長い時を使い計画を立てていった。
それをそれぞれの主に話があったのでやってきた、元地上の獣人やエルフ、今の星には居ない魔族の純粋な悪魔など多種多様な者たちがきて広がっていく部屋の隅で、お茶やお菓子を食べながら聞き耳を立てていたのだが、それぞれ星の発展経緯の違いはあれど元地上から来た者がほとんどなので皆が一様に主やドラゴンの話が大きくなっていくのを感じながら苦笑いし冷や汗を流しているのだが、一番の抑え役のガイルもドラゴンが加わった事で
「それじゃ勇者とか魔王作っても大丈夫なのかしら?」
「それくらいなら大丈夫。何とでもなる」
「エリーはダンジョン?っての作って欲しい!後は今みたいに簡単にならないように強い人育てる所とかも」
「うむ、我らと戦えるような者が育つのも良い。もっとも現れるとも思えんがな」
という言葉を2週の星の掃除を受けながらも生き延び、地上を現地から見守っていた2体の話を聞き計画はガイルが思っていたよりも遥かに大きな物に変わっているのに気づいていなかった。
皆が楽しそうに話すの見ながら自分も楽し気に案を出して行くので、ドラゴンを話しに加えて抑える算段が裏目に出ていた事を後で少し後悔するはめになるガイルだった。
こうして過大に練られた計画は実行されることになり大陸は増え、多くの人々だけでなく生き物が消え、更には法則までもが変わり、世界のあちこちで混乱が起きる事となったのである。
ちなみに眷属たちは面白そうなので、役割が終えれば転生願いを出すか悩みつつ皆でお菓子を食べながら相談するのだった。
これにて始まりの物語を終わります。
世界が進んだ後の違う話を書いていますので、良ければそちらもよろしくお願いします。




