神々の事情 2
「本気かの?」
見た目通りの皺で普段は塞がれそうな目を一杯まで見開きながら爆弾発言したオレーヌに聞き返す。
「ええ、もちろんよ。えりーちゃんも喜んでくれると思うわ」
何でもない風に言って見せるオレーヌを信じられないような者を見るように見つめる。
オレーヌ達の様子がおかしいのに気づいたエリッサ達は量ったかのうに揃って静かにし聞き耳をたてている。
「他の星に居る神々の話とか聞いて思ったのだけど、ここが初めの星だから仕方ないかもしれないけど、この星の様なやり方は少ないみたいよ?他は好き勝手改造っていうか手出し?してるみたいよ。人種を無くして動物や魔物、恐竜とかしか居ない様にしたりとか逆に人種だけとかね。星によっては人種の中の獣人だけや人間だけ、あるいは歌が好きだからって大陸のほとんどを沈めて魔族のマーメイドを優遇したりとか。一応どれも星の管理はできてるわけだし。結局言いたいのは、ちょっと位ならえりーちゃんの我儘聞いてあげれないかなって思ってね」
まるで「頭大丈夫なのか?」と言わんばかりに胡散臭げな眼差しでオレーヌの説明を静かに聞いていたガイルは少し考えてみてから
「確かに今のやり方は古いが一番わしはこの星の意思を尊重できる方法だと思っているがの」
やや反対寄りな意見を言うガイルにオレーヌは親し気な笑顔しながら
「おじいちゃんの言う事もわかるはよ。私もこの星は生まれた場所でもあるし好きだから。それにおじいちゃんの教えてくれたことも分かってるつもりよ」
ガイルの気持ちや意見も分かると肯定しながらもオレーヌは続ける。
「私たちは星がやり直しその時、偶にだけど不満があるのかは分からないけど、星が何かを伝える為なのか、姿や形、性別や性格に生まれるまでのタイミングが違ったりするのじゃないかと思うのよ」
綺麗な顎に手を当てながら、悩まし気に話を続ける。
「上手く言えないのだけど、おじいちゃんが生まれたときとかは分からないけど、例えばラルトスの時は初めから見た感じあんなだったじゃない?」
「あんなって言い方ないだろ!」
静かに聞いていたはずなのにあんな扱いされてついつい突っかかるが、オレーヌは聞こえない振りして話を進める。
「それに地上のチンピラみたいな目つきで髪の毛も相手を威嚇するようにツンツンだし、角は生えてるし、すぐに大声で叫ぶし・・・てな感じで、きっと星は何かに大きな声だして、文句を言いたかったんじゃないかって思うのよ。だって私の後なのに、この星で初めてすぐに生まれたのよ」
「う~む」
ガイルは話を聞きながらラルトスを見て生まれてからのことを考えうなり声がでた。
「私は生まれてから聞いた話だけど、その時の星の最後の方は一人の女性が、星が危ないとか大切にって世界中に言いまわってたらしいじゃない?星も末期だったしで今更って感じだったそうだけど、出て行ったおばさんが、その人に何となく見た目似てるねって私言われたしね」
「確かにあの娘と中身も少し似ているがの」
その時を思い出したのか深く頷きながら相槌を入れる。
「でしょ?だからラルトスが生まれてから、私なりに星を見てたけど、初めの頃は管理って言ってもダメそうならすぐにやり直せばいいんじゃないかなって思ってたのだけど、えりーちゃんが生まれた時は特に子供の姿だったしで、前回何がダメだったのかよく分からなかったのよ。我儘はすごく言うし手もやくし、まだ地上で魔法が無い時に手品とか見て何処で覚えたのか魔法使いって喜んじゃうし、地上の全てって言って良いぐらいほとんど事が大好きだけど、言葉のある者のをやりすぎな位強力な枷は嫌う。どうしたいのよって思うのだけどね。ふふふ」
文句を言ってるのかと思えば嬉しそうに笑いながら喋り続ける。
「知能があるなら優劣付けたりするし、欲しい物があれば戦う。動物や魔物だってしてるわ。ふふふ」
何がそんなに嬉しいのか本当に楽しそうに笑うオレーヌを見ながらガイルは首を捻りながら訪ねた。
「結局はおぬしは何が言いたいのじゃ?というかどうしたいのだ?」
そんな難しい事じゃないように、ニコニコとしながらオレーヌはエリッサを呼び、てこてこと小走りしてきたエリッサの頭を撫でながらガイルの方に顔向ける。
「簡単な事よ、少しだけえりーちゃんのお願いを聞いてあげようって事よ」
オレーヌの言葉を聞いてエリッサは金の瞳から光でも出てくるんじゃないのかと思うほどキラキラさせながらオレーヌに抱き着いて跳ねている。
エリッサは見た目通りの小ささだから、オレーヌの腰より少し上にエリッサの頭がある為、跳ねる度にオレーヌの豊かな乳房に頭突きしているのだが、エリッサはそんな事は関係ないとばかりに飛び跳ねる。
「痛い! いたいってば!こら、やめなさい。このーーちょっと落ち着かないとエリッサの味方しないわよ!」
普段えりーちゃんって言われてるが、オレーヌがエリッサと呼ぶときは本気で怒る時なので、慌てて跳ねるのは止めたのだが、うれしい気持ちを抑えれないエリッサは、オレーヌのお腹に頭をこすりつけながらお礼を言っている。
そんな3柱を見ながらラルトスは遠慮がちに話に入る。
「あ~俺をほっといて決めようとかしやんと取り合えずゆっくり話し合いねえか?」
のけ者にされたくないのか自己主張をしっかりしながら提案し、興奮して聞いていないエリッサ以外が頷き合い移動することにした。




