神々の事情
「エリーぶつぶつとどうしたんじゃ?」
必死に涙が流れそうになるのを我慢しながら小声で何かを言ってるエリッサを心配してガイルが訪ねてみると
「皆手伝って!エリー良い事思いついたんだ!」
まるでとってもすごい事思いついたのか、先ほどの悲しそうな顔が嘘のような満面の笑みでお願いごとを言い出した。
「ひどい事されてる皆に新しく住む場所へ送ってあげようよ!!」
星への干渉は少しの加護を与える以外は最後の掃除の時までは手を入れるのはいけない決まりの中、そんな穴だらけの提案に乗れるはずもなく
「馬鹿言ってんじゃねーよ!お前は決まりも忘れたのか?」
「覚えてるもん。でもあんなの見ながらいつまでも居てるなんて嫌だし・・・」
「まぁまぁ、そんなに怒鳴らなくてもえりーも分かってるわよね。でも確かに下の様子見る限りじゃ今回の最終の掃除は来ないだろうからね」
ラルトスは決まりなんだからと突っぱねたが、オレーヌの返事には何か含みのある言い回しにエリッサはオレーヌの方を見て目をキラキラさせている。
その後も3柱であーだこーだといつもの様に終わらない話をしているのを黙って1柱で聞きながらどうしようものか考えていたら、不意にラルトスに話を振られた。
「じーさんもこいつらになんか言ってやれよ。せっかく久しぶりに皆で集まったのに言い合いばっかりで楽しかねー」
「ラルトスがエリーのはんたいばっかりするからじゃない!」
ラルトスがめったに皆でに集まる事が少ないからか不満そうにガイルに仲裁するように遠回しに頼もうとしていたら、頬を目一杯膨らませて文句を言うエリッサに遮られた。
「さて、どうしたものかの・・・」
昔は他の神々もまだ少しはこの星に居たのだが、ガイルが生まれてから徐々に新たな星を作ったり、自分好みの星へ見守りに出て行ってしまったので、今この星で一番古いのはガイルだからか、最終判断はガイルに聞きに来る事が多い。
星を掃除し新たに生命が生まれてくる頃に、たまに新しく神も生まれることがある。
星が生まれ変わる時に、それまで星の上で生きてきた全ての者たちの思いなのか、あるいは星の後悔や要望なのかは分からないが、そういったものから神は生まれるらしい。
ガイルも聞いた話だから正確なのかどうか分からないのが・・・
オレーヌが生まれ、次の時にラルトスが生まれた。続けて神が生まれる事などその時まで一度もなかったので、ガイル以外に残っていた少ない神たちは「またすぐうまれるんじゃね?」っと言いながら去ってしまい、小さな2柱をガイル1柱で面倒を見ながら星の管理もしてきた。
星については、ほとんどすることもなく偶に地上の者たちに普通は自分が管理する権能の一部を加護にして与え、その者の行動などの結果、星にとって良い物になるであろう人種や魔族に動物、植物や稀に魔物などにも加護を与える。
ちなみにラルトスが生まれてからエリッサが生まれるまで、少なくともガイルが生まれてから一番多く星の掃除した後に生まれたのが原因なのかは不明だが、エリッサは星以上に地上に興味を持っていて何か見つけたりしたらすぐにガイル達に何なのか聞き、「こうした方がいいじゃん」などと言って手を出そうとし、目を離したら勝手をつけようとするので困っていたのだが、最近はおとなしくなったので教育に成功したとばかり思っていたガイルが、また新たな悩みの種に頭を思わず抱えたくなるものだ。
エリッサは生まれてからまだ一度も掃除した事もないので、星の掃除理由の一番高い人種や魔族だという事を知識でしか知らないから、姿が似ていて言葉を使う人種に手を差し伸べたいのも昔はガイルも思ったので、分からないでもないのだが・・・
ラルトスとエリッサが、また言い合いながらもエリッサは小さな体で精一杯飛び跳ねて青いツンツンヘアーを殴ろうとしているが、届かずにさらに拗ねている。
ガイルはここ最近で一番の悩みに頭を捻っていると、途中から飽きたのかオレーヌが傍にきてガイルの耳元に近づくようにしゃがみこみ、ガイルにとってとんでもない事を言い出した。




