在り来たりな初ボス戦
パーティを組んでから再度ダンジョン攻略を始めた俺。いや、俺たち。ジャックの索敵能力やバルドの堅実な守り、リーナと俺二人のアタッカーによる打撃力向上で特に苦労なく10階層にたどり着くことができた。
現在いるのは第10階層にあるボス部屋前の小部屋だ。ボス戦での作戦なんかを話しあっている。
「俺は別に作戦なんかなくてもいつも道理なんとなく戦えれば勝てると思うんだけど。」
「馬鹿じゃないの!10階層とはいえ仮にも階層ボスなのよ!何も考えずに戦って勝てるとはかぎらないでしょ!しっかりとそれぞれの役割を考えて動くべきなのよ!」
「じゃあ。どうするんだよ。そこまで言うんならリーナには何かいい考えがあるのかよ。」
「まず、階層ボスはゴブリンキング。取り巻きにゴブリンナイトが3匹、ゴブリンが10匹いるってギルドの情報で出てたわ。まず、ゴブリンキングの攻撃はバルドのタワーシールドで抑える。その後は取り巻きのゴブリン達を残りのメンバーで一気にたたきましょう!取り巻きを倒したら全員でゴブリンキングへの攻撃を開始する。これでどうかしら?」
「それっていつも道理じゃん(笑)まあ、リーナの作戦に特に文句はないよ。」
ジャックとバルドも同様に作戦に異議はないようだ。
「じゃあ、行きますか!」
俺達は、ボス部屋にはいる。ボス部屋はいつもの草原ではなく。城の中の一室のような作りだった。
中央には玉座があり、ゴブリンキングが腰かけている。その前には3匹のゴブリンナイトとゴブリン達がいた。ゴブリンキングは立ち上がり俺達を見て言った。
「ワイショウナニンゲンガオウタルワレニイドムカ?」
「高々ゴブリンの王が偉そうに言ってんじゃねえ!みんないくぞ!」
ここからは作戦道理動く。突っ込んでくるゴブリンとゴブリンナイトをジャック、リーナ、俺で迎え撃つ。
ゴブリンナイトを残したところでゴブリンキングも参戦してきた。ゴブリンキングの大剣をバルドのタワーシールドで受ける。さすがは鬼人というべきか全くパワー負けをしていない。ゴブリンナイトを急いで倒し全員でゴブリンキングに攻撃しようとしたときそれは起こった!
突然黒いオーラを発するゴブリンキング、今まで余裕で受け切っていた大剣の斬撃でバルドはシールドごと
部屋の橋まで吹き飛ばされる。何とか死んではいないようですぐ起き上がろうとしているがダメージは大きくいつものような戦闘は無理そうだった。体験を振り切った状態のゴブリンキングを見てチャンスと感じたリーナは一気に距離を詰め斬撃を放つ!しかしそれはゴブリンキングの罠だった!攻撃を躱し逆にリーナに切りかかるゴブリンキング。俺の位置からでは、普通にすればその攻撃を防ぐことはできない。
自分が斬られると思い目を閉じ叫び声をあげるリーナ
「きゃ---------!]
だがその斬撃はリーナに届くことはなかった。なぜなら俺がリーナとゴブリンキングの間に立ちゴブリンキングの斬撃を剣で受けていたからだ。そして、俺はゴブリンキングに向かい剣を振る。普通ならゴブリンキングの大剣で止められていただろうそれは見事にゴブリンキングを切り裂いた。
「俺たちの勝ちだ!」
俺のその声に仲間たちは目を見開いた。そして喜びの声を上げる。ただ、リーナは…
「今の何?あの時私はゴブリンキングに斬られてた。あんたは間に合うところにはいなかったはずなのに…」
「助かったんだしいいじゃないか!ほらもっと喜ぼうぜ!」
その一言で全部ごまかそうとする俺。
あの時やったことは簡単だ。神様からもらったもう一つのチート能力を使いリーナを助けた。その能力は
空間操作能力!俺の知覚できる範囲ならば空間を操ることができる。まず俺とゴブリンキング、リーナ間の空間を切り飛ばし斬撃を受ける。その後は剣を振る軌道に合わせ空間ごとゴブリンキングを切り裂いた。俺のやったことはただそれだけ。こんなチートがあれば仲間いらないんじゃないか?なんて思うかもしれない
でもそうじゃない。あくまで俺の操作できる空間は俺の知覚できる範囲。で、現在制御できる範囲は俺の目視できる範囲だけだと思う。能力も成長するようだからそのうち見える範囲なんて制限は無くなるかも知れない。でも今は目に見えない場所は操作できない。だから仲間の力が必要になる。(それに一人でダンジョンに潜っても楽しくないじゃないか!)
そんな感じで、俺達の初めての階層ボスとの戦闘は終わった。バルドの負傷もあり俺たちはボス部屋の奥にあった転送陣をつかってアストラのまちにもどるのだった。




