プロローグ
初執筆にして初投稿です。
拙いところが多々あるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
私は再びこの場所を訪れていた。
思い返しただけでも、頭がくらくらするような思い出しか無い場所に、仕事を休んでまでこんなにも早く戻ってくるのは自分でも不思議だった。
初めてこの場所を訪れたとき、その建物が視界に入った瞬間から、これから起こることを想像しただけで足取りは軽やかに、心が弾んだ記憶がある。
そして、今……。
二度と訪れることは無いと思っていた、私はその建物の門の前に立っている。
ある種の決意を抱いて。
これから起こることを想像しただけで、気分が悪く吐き気がしてくる。
頭痛も少しするような気がする。
こんなことなら頭痛薬を持ってくれば良かったと後悔するが、もう遅い。
今にも大雨が振り出しそうな不機嫌なくもり空も私の気分を一層憂鬱なものにさせる。
"あれ"以来、私の心には何か小さなどす黒いものが渦巻いている。
それは、ブラックホールのように他の感情を飲み込んでしまう。
大好きなプリンを食べても美味しくない。
バラエティ番組を見ても笑えない。
ここ数日の体調不良も間違いなくそれが原因だ。
足取りは重く、玄関までの距離がとても長く感じる。
そんな私を突き動かすのは一体何なのだろうか。
私は、未だにその答えを見つけられないでいる。
次にあの門を通るときには、その答えは見つけられているのだろうか。
それとも……。
私はそっと重い玄関の扉を開いた。
数日前にここで起こった悲劇の真相を確かめるために……。
閲覧ありがとうございます。
本小説は、ノベルゲーム用に書いていたものをノベル化したものとなっています。
最後まで書き終わっているのですが、形式が異なるので投稿には少し間隔をいただくことになると思います。
スローペースですが、最後までお付き合いいただければと思います。