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にっき。~要の場合~












ノウアスフィアの開墾。待ちに待った拡張パックの導入まであと数分。学校の課題は終わらせてあるし、お風呂も済ませた。少しくらい夜更かししても平気な準備は済ませてある。今回の導入で、果たして新たな図面(レシピ)は追加されるのだろうか。最近では、腕も上がり常連(リピーター)もつくようになってきた。自由気ままなギルドに所属している為、最近は専らサブ職でのスキル上げや名刀作りに時間を費やしている。あと十秒…、よしついに解禁。




私は何故外に?姫とは違い瞬間的に寝落ちをしたことはないが…。




辺りを見渡せば、完全に外で大勢の人が喚いていた。…人外もいるなんて、まるで<エルダー・テイル>のようだ。…まさか、そんな。でもこの状況で一番しっくりくるのはその可能性だ。一体どうしてそんなことが?VRMMOではないはずだから、ゲームの世界に入り込むことは不可能だ。理解できない、この状況。


ここはゲームの中(エルダー・テイル)だ。


それが今導き出される一番の可能性。なんでこんなことになっているのか。周りは次第に騒がしくなり始めている状況を見れば、恐らくこの事態を理解できている人はいないのだろう。このままここに居ては面倒事に巻き込まれそうだ。近くの廃墟に避難しよう。道すがら周囲を観察してみたが、やはり混乱は大きくなっていくばかりだ。…果たして明日は計画していた予定を果たすことが出来るのだろうか。夢オチなどという定番であればこれほどまでに嬉しいことはないのだが。そんなことを考えていると、後ろから声を掛けられた。この声…



やはり華乃殿ですか、よく自分のことがわかりましたね。ええ、状況把握は全くできていませんがここにいることにメリットを感じませんので避難を。はい、一緒にどうぞ。



華乃殿と偶然に出会った直後、カイルとも出会い三人で廃墟へ。カイルが持っていた情報によればステータス画面が開けるという。確かに、頭の先に集中すると見慣れた形の画面が出現。つまり、自分の仮説が成立してしまったということだ。データは先ほどまで見ていたものと変わりない。今の自分は『要』だ。隣にいるのは間違いなく『華乃』と『カイル』だ。集中すれば他の人のデータも見ることが出来る。脱出(ログアウト)は出来なくなっている。持ち物は鞄に入っている物がいくつか確認できた。一先ず自分の確認はひと段落だ。



起きましたか、華乃殿。ええ、要です。…カイル、少し静かにするんだ。いくらなんでもはしゃぎ過ぎだぞ。はい、どうやら華乃殿の言うようにゲームの中エルダー・テイルのようです。…カイル、ステータスは静かに見ろ。フレンドリストでギルドメンバーは確認できたので、合流すべきかと。…カイル、鞄に何か食べ物があるだろう。念話の機能はまだ未確認です。…タイミングよく洸殿から念話が。





どんな時でも頼りになる洸殿からの念話に心が落ち着くような気がした。今夜中に全員が揃う訳ではないとのことだったので、私たちも明日の朝の合流にした。恐らく、今回遅れるのは姫達のはず。姫がこの時間まで起きていられるはずもない。状況が把握できない今、近い場所にいるならまだしも少し離れたこの場所から暗い夜道を移動するのはリスクが高い。 



え、カイル今なんて…まさか、そんな⁉…これは、食べ物というには程遠い物体ですね。まさかアイテムがこんなに不味いものだったとは。カイル、不味いのなら食べるのを止めるんだ。そこまで空腹なわけではないならそこまでして食べる必要もないだろう。まったく、まさかゲームの中(エルダー・テイル)での初夜にこんな大きな問題に当たるとは。





ゲームの中(エルダー・テイル)に来た。

私の刀匠としての腕は、一体どれ程のものなのか。

…早く満喫したい。




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